――2020年の大統領選挙の注目はどの州になりますか?
今出ましたフロリダもそうですし、アリゾナ、ノースカロライナ、それからラストベルトと称される北の方でいくとウィスコンシン、ミシガンとか、あとはペンシルバニア。このあたりがSwing stateと言われる州なので、どちらが勝利するのかを見ていただきたいです。
何があってもトランプさんを支持するという人は、番組で「岩盤支持層」と呼びましたが、だいたい3割から3割5分くらいです。反対に、何があってもトランプは大嫌いという人は4割から4割5分くらい。それを「岩盤不支持層」と言いましたが、そういう方々はおそらく投票行動を変えない。重要になるのは、無党派層ですね。まだスタンスを決めていない人たちが、鍵を握るのではないかと思います。
今年も、僅差の州で、2000年に起きたことと同じような状況になってもおかしくない。大差がつけば、票をもう一回数え直す、最高裁で争うといったことにはならないと思いますが、僅差の場合、ややこしい問題に発展する可能性はあります。
――それが、最高裁判事の問題につながるわけですね。
そこでトランプさんと共和党は、ルース・ベイダー・ギンズバーグさんの空席を拙速に埋めようとしているわけです。保守派の判事を入れたいがために急いでいる。
民主党からすると、リンカーン大統領の頃は選挙の後まで任命を待ったじゃないか、2016年の民主党・オバマ大統領時代に同じことが起きた際にも、9カ月前なのに待ったじゃないかと。今回は、25、26日前になぜ決めないといけないのかと主張しています。
共和党や保守派からすると、是が非でも保守派の判事を送り込んで、最高裁の構成を保守に偏らせたい。最高裁のバランスを保守6人、リベラル3人という形に持っていけば、もし僅差になって、もし最高裁で戦うことになっても、自分たちに有利になるだろう、という読みがある。非常に政治的な考えです。
アメリカ社会の根幹にかかわる問題を決める最高裁の判事をそういう政治的な要因で決めていいのか。それを国民がどう思うか。一般の方々がそうした政権の行動を見ていてどう感じるかということを番組で語ります。
どう見ても理不尽ですよね。30日たてば選挙があるわけですから。なぜこのタイミングであわてて判事を指名しなきゃいけないのかと。新しい政権が決まってからやればいいじゃないかというのが普通なんですよね。
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