米大統領選の楽しみ方と今後のシナリオ 最高裁判事人事が争点となる理由<マーケット・アナライズplus+>

2020/10/02 22:00 配信

芸能一般

BS12 トゥエルビ「マーケット・アナライズplus+」10月3日(土)放送より


アメリカ国民にとっての最高裁


――日本と比べ、米国民は最高裁の在り様にとても関心を持っていると感じました。どんな理由があるのでしょうか?

アメリカという国は、イギリスから独立して出来上がった新興国だったわけですよね。いまから245年くらい前に、戦って自分たちの独立を手に入れた。

その起源からして、よって立っているものが違います。自分たちが不断の努力をして王政のイギリスから独立して、大統領制を作って、三権分立の議会と司法を作った。さまざまなことを戦って勝ち取った。

そういった過去を持つアメリカ人にとって、人権の話であるとか、国の根底に関わる問題に対する思い入れやこだわりは、日本とは全く違う。

最高裁には、その根本、国の根底を決めてもらいたいと考えています。

ルース・ベイダー・ギンズバーグさんがなぜこんなにも賞賛されているのかというと、女性の人権をはじめ、40年間いろんなことを戦って勝ち取ってきたからです。

保守系の人が最高裁のマジョリティーになっていると、保守系は要はあまり社会を変えたくないわけですから、同性婚を認めたくない、妊娠中絶だって認めたくない、いろんなことを変えたくない。

でも、実際の今のアメリカ社会はマイノリティーの人がすごく増え、人口動態も大きく変わっている。

国全体では保守系はむしろマイノリティーになっているのに、最高裁だけ保守系がマジョリティーになっている。そこが今回起きている一連の出来事の最大の問題だと思います。

最高裁はいわばアメリカ社会の縮図みたいなもので、今のアメリカ社会の状況を見た上で、根源的な問題をどうするかを考えるのが、あるべき姿です。それがいわゆる政治的な歪みで、アメリカ全体の社会はどんどんリベラルに走っているのに、最高裁が保守に走っている。

その状況をアメリカの人々は分かっていますから、普段だったら投票所に行かない若い人も今のまま共和党とトランプ大統領に任せていたら、どんどん最高裁が保守化していくと危機感を抱いている。私たちが投票所に行って、バイデン候補に投票しなければ、最高裁は保守のままになると考えている。若い有権者、マイノリティーの有権者の行動が注目されます。