膳場貴子キャスターインタビュー「『報道特集』はテレビの良識を担う番組だと思っています」
金平茂紀・日下部正樹両キャスターのこと
――ベテランといえば、金平さん、日下部さんもベテランです。お二人のお話を聞かせてください。ユニークなところなども。
毎週火曜の定例会議を最近はリモートで行っているのですが、毎回、日下部さんはジョギングしながら参加していますし、金平さんの後ろからはスポーツジムにいるような音がよく聞こえてきます(笑)。お二人とも精力的に取材に飛び回るので、そのための体力づくりをしていらっしゃるのだと尊敬します。が、会議の雰囲気が和んで、ちょっと可笑しいですね。
金平さんからは、テレビは自由に振る舞ってもいいんだということを学んでいます。1対マスとのコミュニケーションメディアなので、どうしても全方位を見てバランスをとったり、言葉を丸くしたりしがちですけど、金平さんにはそういうところがあまりないですよね。
言いたいことをおっしゃるので、こちらが驚くこともある。でも、無難なだけでは議論も起こらない。共感するにせよ反発するにせよ、ああいうとがった言葉を投げ掛ける人がいるのはとても価値があると思います。そうでないと世の中は息苦しくなる。金平さんが、堂々と発言をなさることには大きな意味があると思います。
日下部さんは常に冷静で、読書家で、物知り。スタッフとのプレビューの際にも、新しい視点を提示してくれます。スタッフも日下部さんから学んでいることは多いと思います。自分もこういうキャスターになりたいなと思う存在です。
お二人と仕事をしていると、テレビの知性はまだまだ信頼できますよ!と言いたくなります。
さまざまなメディアが増え、テレビに対する期待感が昔に比べて下がっているのかもしれませんが、「報道特集」はテレビの良識を担える番組だと思っています。
――そんなお二人に挟まれて、どうスタンスを取ろうと意識されていますか?
番組の間口を広げていろんな方に見ていただくことを意識しています。取材に基づきながら、是々非々のスタンスで臨むよう心掛けています。
また、子育て中の40代女性としての生活実感も大事にしようと思っています。
今回の政権交代では、安倍政権の負の遺産に対する怒りや疑問を口にした放送が何度かありましたが、私の中から自然に出てきた言葉です。国民から問題視されてきたことを、リセットして無かったことにするのはおかしいと思いましたから。
これからも、取材や生活実感に裏打ちされた視点を提示していきたいと思っています。
毎週土曜昼5:30ー夜6:50、TBS系で放送
キャスター:膳場貴子、金平茂紀、日下部正樹
スポーツキャスター:齋藤慎太郎(TBSアナウンサー)
製作著作:TBS
制作プロデューサー:辻真
番組プロデューサー:吉岡弘行
編集長:曺琴袖
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