新しい林業のカタチ、都市木造化計画の最前線を追うドキュメンタリー ナレーターは工藤阿須加
BS12編成部・佐々岡沙樹プロデューサーコメント
――「都市木造化計画~森の再生~」の制作動機についてお聞かせください。
日本では戦後長らく、耐火性の問題などから、木造の大型建築物が規制されてきましたが、2000年の建築基準法改正以降、技術の進歩により中高層ビルの木造化も可能になってきたことを知りました。今後、日本の都市の風景が大きく変わるかもしれないと思ったことが番組企画のきっかけです。
日本の森林面積は国土の3分の2を占めていますが、その約26%は所有者不明で荒れ放題です。千葉県山武市では去年の台風15号で甚大な被害が出ましたが、林業衰退による森林管理不足が大量の倒木を引き起こし、大規模な停電を招きました。森林管理不足は災害のリスクも高めます。
そうしたリスクを低下させるためにも、「植える→育てる→使う」という森林のサイクルが維持できるようにする必要があります。そのためには、国産木材の需要を高め、日本の林業において収益化が確保されるようになることが重要だと思います。そんな現在の日本の森林や木材について少しでも知っていただければと思います。
腰原幹雄教授は、「森林資源を有効に活用するには、『都市の木造化』が重要。都市部で中高層の木造建築が増えることで、今までと比べものにならないくらい大量の木材を活用できるようになる」と言われています。
最近都内でも木造の新しい建築が徐々に増えてきていますが、この番組が、街中でそうした変化に気付いていただき、日本の今の森林の状況にも少し目を向けるきっかけになればと思います。
――俳優・工藤阿須加さんをナレーターに起用された理由は?
今回の番組は問題提起というよりは、前向きに日本の森林の活用などについて伝える内容です。工藤さんの声質はこうした内容のナレーションに合うのではないかと感じましたので、お願いいたしました。
2020年10月9日(金)夜9:00-10:00
語り:工藤阿須加
ディレクター:小野寺弘行
撮影:松村敏行
プロデューサー:梛木泰西、佐々岡沙樹
製作:テレビマンユニオン、BS12 トゥエルビ