森田和樹監督の最新作「ファンファーレが鳴り響く」が、新宿K’s cinema他にて公開中。森田監督の人生を投影するスプラッター青春群像劇だ。
「デイアンドナイト」、「花と雨」などの話題作に次々と出演する笠松将が主演を務め、ヒロインに「左様なら」「アイネクライネナハトムジーク」など、存在感のある役柄を演じることに定評がある祷キララを起用。2人のインタビューが届いた。
鬱屈した日々を過ごす高校生の明彦(笠松将)は、持病の吃音症が原因でイジメられ、家族にその悩みを打ち明けられず、脳内で空想の神を殺しなんとか自身を保っている状態だ。
明彦はクラスメイトの才色兼備な女子生徒・光莉(祷キララ)が野良猫を殺す現場に偶然居合わせる。光莉は、他者の血を見たい欲求を持っていた。光莉は「イジメてくる奴らを殺したいと思わない?」と明彦に問いかける。その日から明彦の中で、何かが変わったのだった。
明彦が学校でイジメられていることを訴えると、事態はさらに悪化。光莉は明彦をイジメている同級生をナイフで殺してしまう。二人はその現実から逃げるように都会へ。その最中に出会う、汚い大人たちをさらに殺していき、二人の血に塗れた逃亡劇は確実に悲劇に向かっていくのだった。
――本作の脚本を読んで、どう思われましたか?
笠松「監督のやりたいことがたくさんあってはっきりしていたし、楽しそうだなということと、芝居する上で理解しなくてはいけないもの、超えなくてはいけない壁があるなという、楽しみと不安な気持ちの両方がありました」
――その不安とは?
笠松「吃音症というのを俳優が簡単に軽い気持ちでやってはいけないので、勉強して理解した上でどうやって表現するかというのが難しいポイントでしたし、自分の持っているビジュアルとこの主人公がかけ離れているからこそ、どう説得力を持たせるか引き算をしていきました。
吃音症については、文章で勉強した部分もたくさんありましたし、その方たちが何に悩んでいるかを参考にしました。Youtubeに吃音症の人に密着したドキュメンタリーが結構あったので見ました。吃音症の中のどういう症状を演じるかも自分で選ぶ必要があったので、それに時間がかかりました。きちんと向き合ったし、軽く扱っていないことを理解していただいた前提でお話しすると、今回のストーリーを表現するにあたって、“プレッシャーがかかった状態で、声が出づらくなる”という症状を選びました」
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