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NHKで未来のテレビ、スーパーハイビジョンを開発中!

2011/11/25 22:12

スペースシャトルの打ち上げ映像を試写。この迫力がいずれお茶の間に
スペースシャトルの打ち上げ映像を試写。この迫力がいずれお茶の間に

NHKは東京・世田谷にあるNHK放送技術研究所でマスコミ向けの「スーパーハイビジョン機材展示会」を開催した。スーパーハイビジョンは、'95年よりNHKが中心となって開発を進めている次世代型テレビシステムで、'20年から新帯域21GHz帯のBSによる試験放送開始を目標としている。現行のハイビジョンの16倍の情報量を持つ約3300万画素の映像と、22.2マルチチャンネル音響で「あたかもその場にいる気持ちになれる」のが特徴。今回は、12の展示が行われた。

展示会に先立って久保田啓一所長があいさつ。初期の機材に比べ、小型化と軽量化が進んでいることや、機材のバリエーションが増えてきたことに触れ、「一通りの機材がそろった」と研究の成果を語った。また、伊藤崇之研究主幹も、「2Dのテレビの開発としてはこれが最後」とし、「究極の2次元テレビ」と自負する。

スーパーハイビジョンの特徴の一つである22.2マルチチャンネル音響の聴取はフルスペックでは22台のスピーカーと2台の低音補強用機器(ウーファー)が必要だったため、当初ロケ現場で音響の確認作業を行うのが難しいとされていた。そこで開発したのがヘッドホン越しででも22.2マルチチャンネル音響を再現できる装置。入力された音声をプロセッサが計算し再現する。また、前後、上下、左右の立体的な音響が魅力だが、「反射音なし」「短い反射音」「中間の反射音」「非常に長い反射音」の4種類の残響を付加する装置も公開された。

ほか、スーパーハイビジョンで撮影した映像を4Kや現行のハイビジョン画質にダウンコンバートする機材も展示。現行のハイビジョン画質にダウンコンバートする際は、作業用ディスプレーの上で指を動かすだけで、切り取る画面の範囲指定ができる。一部を切り取っても画像がなお鮮明なのは超高精細映像ならでは。

着々と進む研究開発だが、NHKでは2012年に開催されるロンドンオリンピックをスーパーハイビジョンで撮影し、その映像のパブリックビューイングを開催することを発表している。オリンピック放送機構(OBS)、イギリスBBCとの共同制作で、会場は日英米の合計8カ所。日本では7月28日(土)~8月12日(日)に、東京・渋谷のNHK放送センター、NHK大阪放送局のほか、東京・秋葉原での上映が予定されている。伝送路は学術用の光回線で、上映内容は開会式と競技のハイライトとなる。観覧方法については現在検討中。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

画像一覧
11

  • スペースシャトルの打ち上げ映像を試写。この迫力がいずれお茶の間に
  • 【写真】あいさつをするNHK放送技術研究所の久保田啓一所長
  • 小型軽量化したカメラ
  • 音を3次元空間上で自由自在に配置できるミキシングシステム
  • ヘッドフォンで22.2マルチチャンネル音響を再現する装置
  • 4段階で残響を付加する装置
  • 1本で22.2マルチチャンネル音響が集音できるマイク
  • 指定した範囲(画面左の四角で囲った部分)をダウンコンバートして出力(画面右)
  • 小型化したプロジェクター
  • スーパーハイビジョン対応中継車
  • 中継車の中には4Kモニターを搭載
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