村上春樹も超えた!?大泉洋のエッセー106編が一冊に
大泉洋著「大泉エッセイ 僕が綴った16年」の出版記念のイベントが都内で行われた。同書は、1997年から2013年までの16年間にわたり書きためたエッセーに、4本の書きおろしを加えたもの。人気バラエティー「水曜どうでしょう」の裏話や、大泉がローカルタレントから全国区へと活躍の場を広げたときの心情、所属するTEAM NACSや家族、地元・北海道への思いなどがたっぷりとつづられている。
会場に集まった約200人の読者から大きな声援と拍手で迎えられ、大泉は和服姿で登場。いつもと違う出で立ちに「落語家にしかみえない。どうしてそんな格好を?」と司会者から問われると、「きみね、作家というものはこういうものだよ。僕はいまや作家だよ。ベストセラー作家だよ」と大泉節で切り返し、会場を沸かせた。
エッセー本は、発売から10日間で7万部の売り上げを記録。東京・リブロ池袋店の書籍総合ランキング(16日~18日)では1位を獲得し、3日間だけ村上春樹の新作の売り上げを超えた。大泉は「春樹くんとはね、デビューの頃からしのぎを削っとたな~」と冗談を放ち、笑いを誘った。また、発売前から重版が決定するほど話題を集めていることについて「出版社が僕の本の売れ行きを読み違えたってことだろう? 読みが甘いんだよな」とまさに大作家ばりのコメントを。今回、16年前から書きためた108編のエッセーをそのまま本にしたわけではなく、2013年の“40歳の大泉”が当時を振り返ってコメントを付けている。特に書きおろしは「連続ドラマの撮影中で、せりふは覚えなきゃならないし、徹夜で書いていた」と苦労を明かした。
カバーの装画は大泉が子どものころからファンだという漫画「タッチ」のあだち充氏が担当。あだち氏が自身の作品以外でイラストを手掛けるのは初となる。24歳の若かりしころの大泉を描き、似ていると評判を呼んでいる。大泉は「ここまで私に似せてほしいとは言わなかったんだけどね。もっとイケメンでも良かったのに。タッちゃんとかとか、須見工の新田でも」とぼやき、会場を笑いに包んだ。また、会場の読者から「次に挑戦したいことはなんですか?」と質問されると、大泉は「次はぜひ官能小説でね、みなさんのごきげんをうかがいたいと思います」と宣言するひと幕も。
エッセーを書き始めた時から大泉は「いつか本にしたいと思い、なかなかタイミングがなく16年という年月を経て、40歳を機に実現することができた」と語り、「1年で書いたものじゃ出せない味がありますよ」とアピール。「文章を書くということは、僕にとってはなかなか珍しい創作活動で、面白い体験でありました。とってもとっても思い入れのある本です。少しでも多くの人に読んでいただけたらと思います。本当にうれしい日であります。今日はありがとうございました」と感謝の意を述べた。
発売中 1300円(税抜き)
著者=大泉洋
装画=あだち充
発行・発売=株式会社メディアファクトリー