NHK総合で4月10日(木)から放送が始まる木曜時代劇「銀二貫」の収録が2月13日にクランクアップを迎えることになり、撮影の最終週を迎えた10日、取材会が京都・松竹撮影所で行われた。会見場には出演する林遣都、松岡茉優、映見くらら、尾上寛之、浦浜アリサ、板尾創路が現れ、撮影が残り3日間となった今の気持ちや、作品への思いをそれぞれ答えてくれた。
本作は、「大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本」を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作に選出された高田郁の同名時代小説が原作。商人の町・大坂天満を舞台に、父親を亡くした主人公の松吉(林)が、寒天問屋井川屋の和助(津川雅彦)に銀二貫で救われ、生きるために武士の身分を捨てて商人として成長していく姿を描く。
主演の林は「この3カ月間、一度も気を抜かずに一人の男の半生を生きたつもりでやってきたので、その姿を4月から一人でも多くの人に見ていただきたいなと思います。この作品に取り組んでいて、人と触れ合うこと、人のために生きることってどんなに素敵なことなんだということを毎日感じながら演じていました。そういうことを見ている人に感じてもらえるとうれしいです」と清々しい笑顔でコメントした。
ヒロイン・真帆を演じる松岡は「私は15歳から29歳ぐらいまで演じますが、初めての体験でした。15歳から20歳の若いころは2週間くらい泊まって撮影したのですが、ホームシックになってしまい、とげとげしい松岡が出てきてしまいました。でも1月の後半に20歳以降の真帆をやったときは、もう毒素が抜けて東京から来たので、少し腰の据えた真帆ができました。こんなとてもラッキーなスケジュール分配をしていただいてありがとうございました。なによりも13日がオールアップなので、土下座したいくらいうれしいです」とエピソードとともに喜びを語った。
伏見の寒天場で働く半兵衛を演じた板尾は「主に寒天を担当しましたので、寒天のことはだいぶ詳しくなりました。寒天のことをこんなに考えたのは生まれて初めてです。最終的にドラマを見ていただいて、食べてみたいとか、こうやって作るんだ、ちょっと作ってみようとかなって、寒天の売り上げがすごく伸びたりするとうれしいですね。NHKは別になにももうかりませんけれど」と皮肉を交じえながら、作品に懸ける思いを明かした。
さらに、板尾は「銀二貫」というタイトルについて言及し、「今ならどれくらいのお金に相当するんだろうとか皆さんあったと思うんですけど、まあ時代なんで、それをズバリ当てはめることができないのがいいなと僕は思っています。人それぞれ感じる“銀二貫”というものが見えてくると、このドラマはいいと思う。銀二貫の値打ちというより、思いとか、込められているものが伝わって、皆さんの感動を呼ぶような話になるといいなと思っているので、特にいくらっていうのは決めない方がいいのかなって感じがしました」と見事な持論を展開し、周囲を納得させた。
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