ふ久の意中の男!諸岡弘士演じる中山義紘にインタビュー
大好評放送中のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で、め以子の長男・西門泰介(菅田将暉)の先輩の諸岡弘士を演じる中山義紘にインタビュー。役どころや撮影中のエピソードなどを聞いた。
諸岡は泰介と野球部で甲子園を目指してバッテリーを組み、西門家に立ち寄っては家族ぐるみの付き合いをしていく。やがて戦争の影響で甲子園の道は絶たれ、徴兵で戦地に赴くことに。そして出征前、め以子の娘・ふ久(松浦雅)の猛烈なアタックを受けて結婚することになる。
――演じてみて、諸岡弘士はどんな男だと思いましたか?
諸岡弘士はとにかく熱くて、礼儀正しく、昭和の時代を映し出すかのように責任感が強い青年です。残念ながら自分とは全くと言っていいほど違いますね。あんなに格好いい男じゃない。でも、ふ久さんに「あなたの子供が産みたい」と迫られる場面で見せる優しさや、戦争の重みからくる不器用さとかはすごく人間味があふれていてすてきでしたね。男としてこうなりたいと思う憧れの存在です。
――自分と共通するところは?
不器用な所は似ています。うまく言葉が出なくて、相手を思いやれなかった時は、自分を呪いたくなることが多々あります(笑)。ちょっと破天荒なふ久さんにタジタジ気味の諸岡がついていくという構図も僕には当てはまっていて。実際、撮影の初日に西門家の皆さんが待合室で談笑されていて、僕もその輪の中に入りたかったんですけど、人見知りが災いしてなかなか中に入れなかったんです。迷っていた時に、ふ久役の松浦雅さんが「チョイチョイ」と僕に手招きしてくれたので、無事その輪に入ることができました。早速リードされてしまいましたね。
――西門家のような楽しく、固い絆を持った家庭をどのように思いましたか?
毎回ウキウキしてました。あんな家庭、素晴らしいですよね。撮影の合間にも西門家の皆さんと仲良く話させていただいて、諸岡の役どころと同様、仲の良い後輩の家族の家にお邪魔している感覚で過ごさせていただいてます。僕自身、そんな家族ぐるみの付き合いというものをしたことがないので、もう一つの家族ができたみたいでした。この作品通じて貴重な体験をさせていただきました。
――女性から、ふ久のような変わったアプローチをされたらどうしますか?
“夜這い”をされたら驚いてしまいますね(笑)。僕はそんなに耐性がないのでなおさら。でも、ふ久さんなりに不器用に思いを伝えようとしてくれたんだと理解できた時、ものすごくうれしくなりましたし、大事にしたいと思いました。人からアプローチされる機会なんて滅多にないですし、素直にうれしいですから「理解したい、理解したい」と追求したくなります。
――撮影現場でのエピソードを教えてください。
「ごちそうさん将棋部」というものがありまして、撮影の合間に将棋を指して、共演者の皆さんと順位を競い合っています。悠太郎さん(東出昌大)は頭の良い戦略的な攻め方をされるのですが、僕は相性がいいのか、いつも勝てるんです(笑)。
――将棋部で一番強いのは?
一番強いのは、実は室井さん(山中崇)なんです! でも一番悔しいのが、菅田将暉さんが将棋をほとんど知らなくて初心者だったのに、今では何回挑んでも勝てないくらい上達してることなんです。撮影が終わるまでに泰ちゃんに勝てるようになりたいですね。
――諸岡を通して、視聴者に伝えたいことは?
諸岡は戦争に人生を翻弄されてしまう、その時代を象徴するような役どころです。諸岡のような男がいたからこそ、今の2014年があるのだと少しでも思ってもらえればうれしい限りです。ある意味、時代を担っている役なので、そこを感じていただきたいです。脚本の美しく紡がれる言葉にゾクゾクしてください!
――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
僕は現在、劇団Patchという劇団に所属していて“関西から演劇で日本を元気に”というコンセプトでやっています。「ごちそうさん」も同じ関西が舞台ということで、今回出演させていただけて本当に光栄です。この作品を通して「関西に劇団Patchっていう面白い集団あるぞ」と知っていただきたいし、関西には化け物みたいな役者、劇作家、演出家が多くいるので、関西の芸術文化を盛り上げていきたいです。
毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか
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