NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」で、豊臣秀吉最初の参謀であり、黒田官兵衛と合わせて「両兵衛」とも呼ばれた軍師・竹中半兵衛を演じる谷原章介にインタビュー。役どころや、作品にかける思いなどを聞いた。半兵衛は、3月2日(日)の第9回で官兵衛(岡田准一)と初めて対面。共に秀吉(竹中直人)の下で仕えた官兵衛にとって、半兵衛は厳しい師であったが、官兵衛が毛利方に幽閉された際には、思わぬ手段で黒田家を救うことになる。
谷原は半兵衛役の感想を「普通の武士と比べて軍師は感情的に話すというより、その状況をかみくだいてやりとりする役割なので、今回の役は大変だけどやりがいがあるな、というのが最初の印象でした。官兵衛は正義感を大事にして、感情で突っ走るところが多いので、半兵衛はそういう官兵衛と対照的な役でいたいという思いがありました。半兵衛は常に一歩引いたところから物事を見るように心掛けています」と語る。
常に冷静沈着に構えている半兵衛の、内に秘めている熱さについて「半兵衛も官兵衛の熱さに引かれていくところもありますし、官兵衛と根底の部分でつながっているのは、そういう熱い部分だと思います。普段はピンと張りつめたような静かな湖面のような中から、いきなり裂け目ができて、ポッポッと熱いところが顔を出すような、そんな表現をしていきたいと思っています」と半兵衛が持つ“熱さ”に期待を寄せた。
主演・岡田准一との演技合戦について「最初に驚いたのが、半兵衛と官兵衛が出会うシーンで、普通なら面と向かって話をするのですが、岡田さんが突然『半兵衛さまの周りをグルグルまわりたい』と提案されたんです。それでこちらは回る官兵衛を受け止め、まったく動かないで話をするようにしました。静の半兵衛と動の官兵衛が表現できたと思います」と岡田発信の意外なエピソードを披露。さらに「岡田さんは(刀の)小柄と小柄がぶつかる距離まで顔を近づけてこられるんです。実際ぶつかっているんですが(笑)。当時だと、おそらく刃傷沙汰に発展してしまうと思うほどですが、今回それを岡田さんがあえてグイと近づくことで、官兵衛の熱さがよく表せているんだと思います」と迫力ある岡田の演技の一端を教えてくれた。
半兵衛は秀吉の天下を見ることもできず、この世を去ってしまう。後の官兵衛に対する気持ちについて「半兵衛は形としては信長に仕えているけれども、乱世を終わらせようと誓った秀吉さまに対する『義』があります。そのためにも武士、農民、すべての民が安寧の中で暮らせる平和な世を作るため、軍略を用いて勝つということが重要だったと思うんです。そういう意味で、軍師の後を継ぐ官兵衛に、どうか秀吉さまを天下人にしていただきたいという思いが強かったんじゃないでしょうか」と半兵衛の思いを代弁した。
最後に、半兵衛目線での本作の見どころを「軍師の立場にある官兵衛と半兵衛は普通の武士とは立っている場所が違うんです。そういう意味で、半兵衛は官兵衛という初めて理解し合える人に出会えて、単純にうれしかったんだと思います。2人はずっと意見を闘わせていますが、半兵衛なりの友情のような、秘めた思いとかを視聴者の皆さまに感じていただけたらうれしいです」とアピールした。
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