金子ノブアキが語る櫛橋左京進「彼は愚直に生きた人物」

2014/04/13 17:11 配信

ドラマ

「軍師官兵衛」で金子ノブアキは、岡田准一演じる黒田官兵衛の義理の兄・櫛橋左京進を演じる(C)NHK

NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」で、岡田准一演じる黒田官兵衛の義理の兄で、官兵衛に対して常にライバル心を持ち続ける櫛橋左京進を演じる金子ノブアキにインタビューを行い、役どころや、エピソードなどを聞いた。

左京進は小寺政職(片岡鶴太郎)に近習として仕え、同僚の官兵衛をよそ者として侮り嫌う。やがて妹の光(中谷美紀)が官兵衛と結婚するが、関係は改善せず、織田に味方するべきと主張する官兵衛に対し、毛利につくべきだと対立し続ける。

――左京進の役作りはどのようにしましたか?

播磨のコミュニティーの入り混じる感情とかがうまく出るといいなって思いました。大河ドラマに出演するので、親戚も喜んでいたけど、「申し訳ないけど、本当に嫌なやつだから」って言いました(笑)。振り切って演じて、とことん嫌なやつだなって思われた方がいい。でも後々いなくなったとき、一抹の寂しさが残ってくれたらいいのかなって思います。

――金子さんからみて左京進はどのような人物ですか?

「戦のない世は来ると思いますか」っていう問いに「分からない」って答えるシーンがあるんです。そこに左京進の人格がすごく表れていると思います。彼の本質をどこに見いだせるかなって思ったとき、その言葉でこみ上げるものがありましたね。とても普通なんですよね。普通に家族と幸福に暮らせていればきっと良かったんだろうと思うんです。播磨の豪族に生まれて、ある種真っすぐに乱世を生きていたので。もともと天下人になろうとかいう野心はなく、馬鹿正直というか、愚直に生きた人なんだと思いました。

――左京進は官兵衛に対して、どのような思いを抱いていたのでしょうか?

才覚あふれる人物が外様で入ってきて、とても脅威だったんだと思います。例えばバレリーナで、町のバレエ教室でプリマをずっとやっていたんだけど、すごく上手な転校生が来てプリマの座を奪われるみたいな。(だから)トゥシューズに画びょうを入れてしまう(笑)。官兵衛に対してやはりうらやましくもあり、ただどこかで自分の限界も分かっているんです。だから開き直って全然違うところにいってしまったんだと思います。左京進は生まれ育ったプライドがあるから、止められない自分が分かっていて、もがいていてなんとかしなくちゃって気持ちも感じられる。そこはすごく切ないですよね。

――左京進にとっての光や(酒井若菜演じる)力などの家族の存在とは?

あまり描かれていなかったんですが、そこには大きな無償の愛があったと思います。家族仲はすごくいいんです。官兵衛が来る前はすごく仲良かったんだと想像できました。それが左京進にとって全てだと思うんですね。彼の中に救いとか、やすらぎは家族だったんだろうと思いますね。だからこそ官兵衛に対して端々に本音が出てくるのが、決まって家族の話なんです。だいたい家族のことで怒っている。本当はいいやつだなって感じました。

――岡田さんとの共演はいかがでしたか?

岡田さんは格闘技をやられていて、インストラクターの資格を持つほどなので、殺陣を教えてもらいましたね。軍師なのに一番強いって問題ですよね(笑)。戦うシーンとか、明らかに強いんですよ。本当にすごい人です。

――大河ドラマのすごさを感じたことは?

大河のスケール感がすごいですね。セットに入るともうお城の中だし、外には土も敷いてあって、だからみんな休憩中になると縁側に出るんですよね。本当の外みたいだから(笑)。電球なんだけど、日の光みたいに感じてしまうんです。セットが豪華なので、どうしたって(「軍師官兵衛」の)世界に入ってしまいます。

――今後の注目ポイントを教えてください。

左京進は、これからどんどん加速する物語の口火を切る役割です。これからストーリーが広がっていきますので、期待してください。