これまでに100作品を超える映画に出演し、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を4回受賞するという最多受賞記録を持つ国民的女優、吉永小百合。彼女が初めて企画に携わった映画「ふしぎな岬の物語」が公開される。これを記念してBS放送の日本映画専門チャンネルでは彼女が選んだ「思い出の日本映画」7本を放送。代表作「キューポラのある街」はもとより「学校II」「浮雲」など、映画人として影響を受けた作品を選んだと言うが、なぜこの7本だったのか。
「この7本をはじめ、かつての作品は今と違ってすべてに手作り感がありました。例えば空に変な雲が出ていたらあの雲が無くなるまで待機、ということもありましたし。でも今はちょっと空が曇っていても後で処理すれば良い、という時代になりました。確かにその方が便利で、理想のカットが撮りやすくなった反面、そう考えると昔の方が1カットずつに思い入れや重みがあったんじゃないかと思います。何でも後で処理できるようになったということはある意味では良いことなんですけれど、そういう昔ながらの良さや味わいなどが無くなってしまったんじゃないかと感じています」と、彼女は自身が体験してきた映画撮影の舞台裏を明かした。
「俳優の芝居ができなかったらできるまで1週間でも待つとか、そういうこともあったんですよ。当時の作品は、1カットごとにスタッフや出演者の熱意が凝縮されていると思います。そんな作品の中でも、強烈な印象を受けたのが今回選んだ7本なんです。おそらく私と同世代の方たちもこのチャンネルをご覧になると思うんですけど、それぞれに生きてこられた思いの中で、こういう作品を味わっていただきたいと思います」と、視聴者へのメッセージを語った。映画の世界に長く関わってきたからこその選択はファンならずとも必見だ。
そして今回、CS放送の東映チャンネルでも彼女の出演作を放送する。さまざまな役柄に挑戦し続けている彼女の魅力を味わってみてはいかがだろうか。
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