斎藤工主演「ダークスーツ」 実社会では重罪に問われてしまうことが判明!
10月スタートのドラマは、最終回に向けて盛り上がりを見せている中、11月スタートのドラマにも注目! 特に目を引くのは、斎藤工主演の「ダークスーツ」(NHK総合)である。このドラマは企業の不正経理などを取り扱った社会派ドラマであり、これらの事象が現実に起きた場合の刑罰などを弁護士の今井優さんに教えてもらった。
「ダークスーツ」は、斎藤工演じる主人公の一之瀬諒が自らの会社を再生するために苦戦し、その中で裏金の事実を知って、会社上層部と戦う物語。ドラマではよく聞く「裏金」という言葉だが、果たして実際の企業でもありうるものなのか、そしてもし内部告発をした場合はどうなってしまうのだだろうか。
Q.会社の裏金を発見して内部告発したら、クビになりますか?
A.会社は社員を簡単には解雇できませんし、公益通報者保護法という法律があり、社員が社内で不正を発見して通報した場合でも解雇などの不利益を受けないことになっています。実際、社内の不正を通報した社員が左遷されたという判例では、第1審では異動は有効と判断され社員側が控訴し、最高裁まで争われて異動の無効が確定しました。ただし、社員側は異動の無効を会社側に認めさせるため最高裁まで争ったのですから、内部告発をしたことによって会社に不利益な取扱いをされた場合に、自分の従前の地位名誉を回復するのは簡単ではないかもしれませんね。
Q.不正経理処理をすると、会社はつぶれてしまいますか?
A.企業収支の虚偽記載の罪を問われると、有価証券報告書を提出した者に対して10年以下の懲役又は1000万円の罰金、企業に対して数億円の罰金が科されます。ですので、代表者及び会社には重い刑罰が科される可能性は大いにあります。実際に平成24年度、これに関する罪で送検された人数は約130人です。また、企業としては不正をしているので、このことが明るみになった場合、顧客の信用を失って廃業に追い込まれる可能性はありますし、実際にそのような企業もあります。
上記のように実社会で起きた場合の刑罰などを頭に入れてドラマを見ると、また違った角度からも楽しめること間違いなし!
毎週土曜日 夜9:00-10:00
NHK総合で放送
脚本=荒井修子/出演=斎藤工、石丸幹二、満島真之介、倉科カナ、市川由衣、大杉漣ほか