'15年1月からのフジテレビ“月9”の主演を決めた杏が、来春、結城充考の人気ミステリー小説を映像化したドラマスペシャル「クロハ~機捜の女性捜査官」(テレビ朝日系)でも主演を務めることが分かった。ドラマデビューの思い出の地・テレ朝で、射撃の名手であるクールな女性刑事を演じる。同局ドラマ初主演の杏は「テレビ朝日と言えば“刑事モノ”。ドラマデビューはテレビ朝日で“刑事”という役名でした。当時は、演技も何も考える余裕がなく、今は怖くて見返すこともできませんが、今回ある程度の経験を踏んで、こうして主演をいただけたのはとても感慨深いです」と、喜びを語った。
「クロハ―」の原作は、'09年に第12回日本ミステリー文学大賞の新人賞を審査員満場一致で受賞した結城の「プラ・バロック」。現代的でスピーディーな事件展開だけでなく、主人公・クロハのキャラクターとその生き方に込められたテーマ性が人々の心をつかんで離さない人気作を今回映像化する。刑事だった父を持つクロハは、その父を憎んでいるのだが、なぜか父と同じ仕事を選んでしまっている…という矛盾した心を抱え、肉親にも素直に愛情を表現できず、ネット空間に逃げ込んでいる。その姿は、まさに繊細で弱々しい生まれたての蝶のよう。そんなクロハが、異様な集団自殺の謎と、首謀者の抱く“悪意”に立ち向かう中で自分を見つめ直し、ひ弱だった蝶が何千kmもの海を渡る強さを身につけるようになっていく。クロハが刑事として、人として、たくましく成長していく姿こそが、本作の醍醐味。このクロハを杏が演じ、事件の謎解きの面白さはもちろん、人が強く温かく生き抜く姿を描くヒューマンミステリーとなっている。
今では連続ドラマで主演を務めることも多い杏が、ドラマデビューを飾ったのは今から7年前。テレビ朝日で放送された「黒澤明ドラマスペシャル・第一夜『天国と地獄』」('07年)。その後、数々の話題作でヒロインを演じ、女優として見事な飛躍を遂げた杏が、来春、デビュー作と同じ刑事役でテレビ朝日のドラマスペシャルに“凱旋初主演”を果たす。真っすぐな個性が魅力的な杏が本作で演じるのは、歪んだ真珠のような女性刑事。受けた光がどう反射するのか自分でも分からず、戸惑いや不安、もろさをにじませる役どころは、明るく前向きな役柄の多かった杏にとって新境地となりそう。また、クロハは射撃の名手という個性も。すらりとした体躯を生かし、クールに銃を構える杏の姿は、圧倒的な存在感で画面を支配していく。本格的なガンアクションにも挑戦し、女優として羽ばたき続ける杏がまた新たな引き出しを開く。共演は池内博之、眞島秀和、福士誠治、吉田鋼太郎、段田安則、小西真奈美、仲村トオルら。
オファーをもらう前から原作を読んでいたという杏は「映像化したら面白いよと薦められていたこともあり、興味を持ちながら(原作を)読みましたが、まさかこんなカタチになるとは。自分のキャラクターも含め、こういうやり方で映像にするんだと、驚きとワクワクを感じながら撮影しました。同年代とはいえ、とても特殊な環境にいるクロハと私は、ライフスタイルや考え方が大きく違います。それでも、女性にしか感じられないものが物語を進行していく側面があり、そういう感受性を持ったクロハはすてきだと感じました。今まで多く演じてきた明るくリアクションしやすい役柄とは全く異なったので、感情表現をどこまで抑えるかという部分が新しいチャレンジとなりました。銃を持つシーンは緊張しましたが、格好良くて単純にうれしかったです(笑)。曇り空に魅力を感じるようなビターテイストのドラマで、余韻の大きな作品に仕上がっていると思いますので、楽しみにしていてください」と、自信たっぷりにアピールした。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)