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KADOKAWAの編集部が分析!”売れる新書の極意”

2015/01/26 18:35

新書編集者たちから現場の声が聞ける「新書座談会」はシアター・テレビジョンで放送中
新書編集者たちから現場の声が聞ける「新書座談会」はシアター・テレビジョンで放送中

CS放送のシアター・テレビジョンで放送中の「新書座談会」。株式会社KADOKAWA発行の新書「角川oneテーマ21」の編集長・原孝寿氏、副編集長・菊地悟氏、編集者・藏本淳氏の3名が出演して、お薦めの新書やその魅力を紹介していく企画。普通であれば自社の本を薦めたくなるものだが、この座談会の特徴は”他社作品のみ”というのが独自のコンセプト。今回は“2014年度の新書年間ベストセラーの売り上げランキング”から、売れる新書の特徴に至るまで激論を繰り広げた。

菊地氏は'14年度新書年間ベストセラーの3位にランクインした「壁」シリーズ4作目となる養老孟司氏の『「自分」の壁』を手に取ると、「'03年4月に発行した『バカの壁』が400万部を超える大ヒット作になったが、“バカ”というフレーズをタイトルに使ったことが一つ。もう一つは語りおろしという手法。養老さんご自身が『自分で書いていたものより、話をしてそれを新潮社の記者の方がまとめて本にしたものの方が売れてしまった。それが結果的に読みやすさにつながったんだろう』とおっしゃっていますが、この手法が時代にマッチして新書界に浸透していった。新書において今ニーズが高いのは、ベースにまずしっかりとした学問があって、そのうえで読み物としてエンターテインメント性があるもの」と分析した。

これを受け原氏は「今年度のベストセラーは、経済的な成熟に向かう時代の中で小手先の知識に対するニーズがなくなってきたことが顕著に表れている。昨今はコミュニケーションに関する本が人気で、自分の体験やエピソードを語っている本が主流。僕が編集方針でよく言うのは、正論や一般論ではお金は取れないということ。それは公共性があるものだから、読者の方が700~800円を出してまで買ってくれない。では、何であればお金を払ってもらえるかと言うと、自分の体験を経てその内容に信頼性があるかどうかということ。外交をテーマにした本などを見てもらうとその意味がよく分かると思う。新書では外交官だった方が書かれた本が多いが、外交の現場の生々しい話は普通外には漏れ伝わらないので貴重感がある。だからお金を出してでも読んでみたいという方が多いのだろうと思う」と、現場ならではの意見を語った。

それ以外にも、新書のダブルカバー化や意外な芸能人が薦めている教養新書、タイトルのネーミングのコツなど、数々の本を例に出して売れる新書の条件を各氏の視点で鋭く解説した。

最後に新書独自の強みを菊地氏は「200ページぐらいの分量が多いジャンルなので、2時間程度で読み終わるものが多い。小説などに比べると食わず嫌いされにくく、テーマ的にも今のニュースをキャッチアップするものが多いので、手軽に“今”を知りたいという時に最適のメディア」だと提言。原氏は「通勤時間の1往復や、出張に行くときの片道の時間内で読んでもらえるというシチュエーションを想定して作っている。実際に駅や空港の書店さんで売れていることが多いので、肩肘張らないような内容を目指して作っている」と制作の裏話を明かした。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

「新書座談会」
1月26日(月)夜2:05-3:05
1月30日(金)夜2:05-3:05
1月31日(土)朝7:00-8:00
CS放送 シアター・テレビジョンにて放送
http://www.theatertv.co.jp/movie/12395

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