激動の長州藩の運命に翻弄(ほんろう)されながらも、新しい時代へと兄・寅次郎(後の松陰・伊勢谷友介)の志を引き継いでいった文(井上真央)の姿を描く「花燃ゆ」。
2月22日(日)放送の第8話では、ついに舞台は野山獄から松下村塾へ。幕末・維新で活躍する優秀な志士を多数輩出した松下村塾のメンバーの紹介と合わせ、2月22日(日)放送から登場する、東出昌大演じる久坂玄瑞の親友であり、ライバル。そして久坂と共に、“松下村塾の双璧”と呼ばれた高杉晋作役の高良健吾のSPインタビューをお届け!
大河ドラマ初挑戦となる高良が演じるのは、常に面白いことを求め続けた幕末の風雲児・高杉晋作。久坂玄瑞と並んで、松下村塾の双璧といわれた才覚者。
「高杉晋作のことをあまり知らなかったので、とにかく資料を読んで勉強しました。その過程で『面白きこともなき世を面白く』という辞世の句を知り、これは今でも通じる言葉だなと。もちろん、高杉が生きた時代と今とでは言葉の重みが違いますが、いつの時代も面白くするのは自分次第。それは僕が生きる上でのテーマでもあり、高杉の残した言葉の中で、自分に一番響いたものでした」
長州藩の名門に生まれたものの、レールの敷かれた人生に嫌気が差していた若き日の高杉。それが吉田松陰と出会い、人生が大きく変わる。
「高杉は豪胆な人だと思われることが多いけど、実際は繊細で優しい人でもあったんです。松陰先生と出会う前の高杉は、武士という地位にあらがいたいと思っているのに、それができずに憤りを感じていた。その思いをどこにぶつけたらいいのか分からずにいた彼が、松陰先生と出会い、志とは何かを学んでいくんです。それは高杉にとって大きな喜びであったと思うし、縁あって松下村塾のメンバーとも出会えた。そして、その松下村塾という萩の小さな私塾から、日本を変える人たちが数多く輩出されたのはすごいことだと思う。やはり大切なのは学びであり、言葉なんだとあらためて感じました」
松下村塾のメンバーを演じるのは、久坂役の東出昌大ら同世代の俳優たち。現場は松下村塾と同様に、熱気に包まれているという。
「同世代との共演は、緊張するけれど新鮮です。東出君とは10代後半のころから知り合いで、それがライバル関係を演じるようになるとは縁だなと思います。面白いのは、現場が本当に松下村塾のような雰囲気なこと。松陰先生役の伊勢谷友介さんが、撮影の合間に“命の使い方”などの話をしてくださり、みんなで話し合っています。とても刺激のある現場で、やりがいを感じています」
日本の未来を憂い、命を懸けて志を貫いた高杉たち。その生きざまには「学ぶところしかない」という。
「高杉たちは萩のことや、日本の未来を考え、あの時代に誰も思わなかったことを実現させようとして奮起します。当時から見れば非常識なことだったのかもしれないけれど、彼らの志は今の時代でも残っているんですよね。それは松陰先生の『至誠を尽くせば、人の心は必ず動く』という言葉の通りだと思いますね」
■歴史を動かしていく!松下村塾メンバー
久坂玄瑞(東出昌大)…寅次郎から“天下の英才”と称賛される。宮部鼎蔵(ビビる大木)から紹介され、寅次郎の教えに興味を持つ
高杉晋作(高良健吾)…長州藩の名門・高杉家の嫡男。藩校・明倫館で伊之助(大沢たかお)から寅次郎の存在を教えられ、塾の門をたたく
吉田稔磨(瀬戸康史)…実直な人柄で寅次郎からかわいがられる。身分の低さから明倫館に入ることがかなわず、松下村塾へ
野村靖(大野拓朗)…実兄・入江九一と共に寅次郎の思想につき従う。維新後、寅次郎の遺書「留魂録」を受け取ることになる
入江九一(要潤)…下級武士の家に生まれ、働きながら学問に励む。実弟の野村靖と共に塾で学び、寅次郎の思想に傾倒する
前原一誠(佐藤隆太)…維新十傑の一人に数えられる志士。貧しい農民を救いたいという前原の思いが寅次郎の心を揺り動かす
伊藤利助(劇団ひとり)…貧しい農家の生まれだが、父親が足軽の家を継ぎ下級武士になる。立身出世を目指して寅次郎に教えを請う
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