2月28日(土)にテレビ大阪で放送される「池上彰の世界を知れば大阪が変わるニュースショー」の収録が行われた。収録直前に、池上彰とメッセンジャー・黒田有に番組に対する意気込みを聞いた。
池上と初共演となった黒田は「初めてお会いさせていただきました。僕はテレビで池上さんを拝見していますが、僕は全国ネットに出てないですから。池上さんは僕の番組を見てないんじゃないですか?全国ネットに出たのは“事件”の時だけです(笑)」と先制の自虐ネタで池上を笑わせた。
大阪の印象を尋ねられた池上は「大阪には何度も来ていますが、東京から見ているとよく言えば活気があるし、悪く言えばワチャワチャ、ガチャガチャしていて騒々しい街。でも、それだけに可能性がある。その可能性を、東京ではなく世界と比較してみようと。東京は相手にせず、世界の中での大阪を考えてみよう、というのがこの番組の主旨です。活力にあふれている街をもっと生かしてほしい」と大阪にエール。
池上には、番組内で取り上げるテーマとして、橋本徹大阪市長らが推進する“大阪都構想”についての質問が多く寄せられた。「特定の主張をするのではなく、そもそもどういうものなのかを解説したり、問題があれば指摘したりして、それぞれの人に考えてほしい…というのが私のスタンスです。都構想はメリット、デメリット、問題点があるでしょうから、それは指摘します。しかし、最終的に判断するのは大阪の人たちですよ、とお伝えできたら」と説明。
それを聞いた黒田は「僕もアホなりに都構想は勉強したんですけど、メリットとデメリットが分かっていない市民の方が多いかな。橋下さんが好きか嫌いか、になってしまっている。そうじゃなくて、メリットとデメリットを考えて、市民がよく理解した上での住民投票にしないと変わることはできない」と真剣な表情。
続けて「大阪は本当の財政難だということに、ようやく危機感を持ち始めたところ。市民として、しっかり考えてみようと思います」と語った。
また、黒田が司会を務めるテレビ大阪で放送中の「たかじんNOマネー BLACK」(毎週土曜昼1:00-2:00)で、橋下市長が出演したときのことにも触れ「橋下さんが、『メディアは怒ってるところばかり流す』と。『大阪都構想はこういうものだ、と必死に説明しても、そこはオンエアされない』と言ってました。僕は同じ世代なんですが、僕らの世代は感情的になってしまいがち。そこで、温和な池上さんに説明してもらえたら、もう少し伝わるのかなと。橋下さんがうなるような番組にできたら」と番組の理想像を明かす。
すると、すぐさま池上が「あの人は、簡単にはうならないですよ」とチクリ。“池上無双”の片りんを垣間見せた。
今回の番組主旨である『世界の成功例から、大阪の問題点を解決するヒントを解説する』について、池上が解説する一幕も。
「大阪にいて『これはどうだろう』と言っても、なかなか見えてこない。でも、世界と比べてみると、いわば補助線みたいなものが見えてくると思うんです。たとえば、図形の問題を解きなさいと言われても、なかなか解けないですよね。でも、補助線を引くとにわかにヒントが見えてくる。それと同じように、カジノ問題やさまざまな問題も、世界の中で成功しているところとそうじゃないところを見てもらい、補助線を引いていただきたい」と話した。
記者から「この機会に、池上さんに聞いてみたいことは?」と尋ねられた黒田は、「賢い人は頭の中で整理整頓ができていると思うんです。池上さんは、物事を何でも知ってはるし、過去のことも現在起きている世界情勢や経済のことも人に説明しますよね。人に説明するということは、自分が一番知っておかないといけないんですけど、こんなに忙しいなかでどうやって知識を得てはるのかなぁ。どうやって勉強されてるんですか?」と質問。
池上は「とっかかりは新聞です。新聞を読んでいると、分かりにくい記事があるでしょう?『きっとこれはみんなに分からないだろう』と思うところがあると『しめた!』と(笑)。『それを解説しよう、そこを勉強しよう』と思うんです」と回答した。
さらに池上は毎朝、新聞各紙10紙を読んでいることを明かし、黒田は仰天。「かなり時間、かかるんちゃいます?」と聞かれた池上は「朝、20分もあれば…」と答え、再び黒田を驚かせていた。
「基礎があると、各紙の見出しを見ていけば『あのことがこうなったんだな』と分かるようになります」と新聞を読むコツや知識を身に付けるコツを池上は黒田に伝授。それを受けて黒田は「要するに、イチを知らんかったらもうしゃべるな、ということですね(笑)」と笑いを取りつつ、「新聞がきっかけですよ」と言う池上に「ありがとうございます!精進します」と決意を新たにしていた。
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