亀梨和也が蜷川演出の音楽劇に初挑戦!
演出家・蜷川幸雄の年齢80歳と、故・寺山修司の生誕80年を記念した音楽劇「青い種子は太陽のなかにある」の主演に、KAT-TUNの亀梨和也が抜てきされたことが分かった(タイトルの「青」は下部分が「月」ではなく「円」)。
同作は'63年に寺山が28歳の若さで書いた戯曲。'60年代高度成長期の日本を舞台に個性的なスラムの住人たちのドタバタや若者たちの悲恋の中で、反体制の視線を象徴的に描いた問題作。同じ時代を生きた蜷川が亀梨を主演に迎え、寺山こん身の一作の舞台化に挑む。さらに、楽曲を手掛けるのは松任谷正隆で、亀梨と同じく蜷川演出作品には初参加となる。
蜷川に指名されて出演することになったという亀梨は「僕にとっても初めて尽くしの時間になると思いますが、蜷川さん、松任谷さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、すべての方々から頂く刺激と教えをしっかり形にできるよう、準備していきたいと思います」とコメントを寄せた。
一方、蜷川は「大阪で芝居をしている時にジャニ―(喜多川)さんと一緒に(亀梨が)現れました。魅力的な青年だな…いつか一緒に仕事をする予感がありました。今回、予感が実現してうれしいです。しなやかな肉体と、しなやかな感性がとても魅力的です」と、亀梨に期待を寄せている。
■「青い種子は太陽のなかにある」あらすじ
'63年夏、浮浪者や夜の女たちが集うスラムに、市役所の計画で近代建築のアパートが建設され始める。工員・賢治と深夜レストハウスのウエートレスの弓子は、スラムで出会い付き合い始めるが、1日のうちに夕暮れのひとときしか会うことができずにいた。
ある日、アパートの建築現場で朝鮮人の作業員が足場から転落して死亡。現場監督や市役所の人間たちはその死体をアパートの土台のコンクリートに埋め込んでしまう。その現場を目撃した賢治は、警察や人権擁護委員会に訴えかけるが誰も相手にしない。死体が埋められた場所に賢治はチョークで太陽のマークを記し、弓子に約束の言葉をささやく、「青い種子は太陽のなかにある」と。
真実を明らかにすることに心をとらわれる賢治と、幸せな結婚を夢見る弓子との溝が次第に深まる中、賢治はアパート建設に融資している代議士・早瀬に直訴。ところが早瀬の口封じに遭い、早瀬の経営する大会社に勤めるという条件をのんでしまう。早瀬の娘・マリーはそんな賢治のことを嘲笑する。
一方、アパートの建築は着々と進み、入居の資格を得るために夜の女たちと浮浪者たちは偽物の所帯を持つように。狂想曲的なドタバタ騒ぎの中、入居の日を迎える。そこで浮浪者の長老・おりんが唄った「日招き」の唄が賢治の心を揺らし、賢治はついにスラムの住人たちに真実を語り始める。
原作=寺山修司
演出=蜷川幸雄
音楽=松任谷正隆
出演=亀梨和也 ほか
■東京公演
8月10日(月)~8月30日(日) Bunkamura オーチャードホール
■大阪公演
9月4日(金)~9月13日(日) オリックス劇場