欲望渦巻く大学病院の医師たちの人間模様を描く「医師たちの恋愛事情」(毎週木曜夜10:00-10:54フジ系)で、主演の斎藤工が白衣に身を包み、24時間365日常に患者のことを一番に考える外科医・守田春樹を熱演中。医療と恋愛が融合したストーリーが新しい本作だが、今回は衣装を手掛ける横山貴香氏に、斎藤の白衣姿を中心に話を聞いた。
――春樹の細身の白衣のシルエットにはこだわったというお話を伺っていますが、衣装選びのポイントを教えてください。
まず、今回の病院の白衣については監督がシルエットにこだわりたいと最初におっしゃって。いろいろな白衣を衣装合わせの時に提案しました。皆さんが同じ決まった白衣を着ていることはありますが、キャラクターを意識して斎藤さんの白衣だけ、少し色味などの見え方が違うものに変えました。彼だけ違う生地なので、特注で作ってもらっています。あまり映像では、分かりづらいと思うんですけれども。
――春樹の白衣の形についてはいかがでしょうか?
見た目は同じポケットが付いていたりするんですが、シルエットは他のキャラクターとは少し違う感じになっています。いろいろなデザインの白衣を(斎藤さんに)着ていただいて、さまざまな白衣の形や色味、生地感のいいところを選んで、メーカーさんに作っていただきました。
――春樹がいつも白衣の下に着ている作業着(スクラブ)についてはいかがでしょうか?
スクラブについても、いろいろなメーカーのいろいろな形、色を着ていただきました。監督が襟のVのカットにすごくこだわりを持っていたので。本当に少しずつ、Vの切り込みなどメーカーごとに形が違うんです。Vのカットが、これだと浅過ぎるからもっと深くといくつか比べていき、オリジナルのものをメーカーさんにお願いしました。
色も、青系にしようという方針は最初にあって。明るいブルーからネイビー、チャコールなどいくつか用意しました。その中から、今斎藤さんがお召しになっている、(発色のいい)ネイビーがお似合いで決まりました。
素材に関しては、春樹のスクラブは割とオーソドックスな、ジャージー素材などではない、伸縮性の少ないタイプなものの、汗をかいても色移りなどしない素材のものを選んでいます。
――医者の方たちって、診察する時はスクラブじゃなくてもいいのかなとも思ったんですけども、やはり仕事熱心な春樹の役柄的には、すぐに治療体制につけるような格好でいたい、ということなのでしょうか?
そうですね。あと、今は私たちも実際の病院のロケに行ってみると、スクラブのお医者さんを多く見掛けるんですよね。作業着ということで、汚れたらすぐ着替えられるとか便利だからだと思うんですが、春樹さんも“24時間医者”なので、やっぱりスクラブの人なのではないかと。
――ちなみに、春樹の私服は白シャツにベージュのズボンといったスタイルが基本なのかなと拝見しましたが、いかがでしょうか?
はい。私服もいろいろ着ていただいた結果、(春樹の)キャラクターは洋服にあまり気を使わない人だということと、地方から出てきたという設定から、オシャレ過ぎても違うのでは、という話になりました。
そこで、何となく白シャツを着ていただいたら「いいね!」と監督が気に入って、「白シャツ中心でいきましょう」みたいな感じになったんです。カーゴのパンツも、今のところ出番的にベージュとカーキくらいです。
――なるほど。あまりオシャレには気を使っていない感じはありつつも、決してもっさりしているわけでもなく、きれいなシルエットの服でしっかりした人に見えて、絶妙なバランスだなと思いました。
ありがとうございます。この設定の中でもアイテム選びにはこだわっていて、キャラクターが格好良く、魅力的に見えるようにはこだわりました。
――続いて、仁志(伊原剛志)、宗太郎(平山浩行)の男性陣の衣装についてもコンセプトを教えてください。
准教授の仁志さんは、大人の男性を意識しました。春樹さんから見ても、こう頼れる存在というか、チャラチャラしていなくて、どっしりとした大人の男性に見せたかったので、信頼できる大人の男性のイメージで衣装を選んでいきました。
それに反してと言いますか、宗太郎さんは、いろいろな女の人に手を出しているので、ノータイの空き具合と、襟の立ち具合にこだわりました。平山さんご本人もこだわっていらっしゃって、ここの(襟の)立っている感じがいいよね、などと相談しながらやっています。宗太郎さんがセクシーに映ればいいなと思います。
――特にこだわりのあるアイテムなどはありますか?
5話(5月7日(木)放送)で平山さんがブルーのストライプのスーツの時があるんですが、その時のベルトは、そのスーツにピッタリのスエードのベルトを見つけました(笑)。付けてみたらご本人も「これ、いいですよね」とおっしゃってくれて。組み合わせに、宗太郎さんらしい色気が出ているなと思っています(笑)。
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