小泉孝太郎、“今でもいい女”小西真奈美と久々の共演
WOWOWプライムで7月12日(日)から放送がスタートする連続ドラマW「死の臓器」の撮影が東映東京撮影所で行われ、主演の小泉孝太郎と小泉演じる沼崎の元恋人役の小西真奈美が取材に応じた。
本ドラマは、麻野涼の同名小説を実写化した社会派医療サスペンスで、臓器移植をテーマに臓器売買の知られざる闇と現代医療の倫理を、映画「キサラギ」('07年)、「ストロベリーナイト」('13年)、「脳内ポイズンベリー」('15年)などを手掛けた佐藤祐市監督がリアルに描き出す。
WOWOWドラマ初出演の小泉は、腎臓が摘出された女性の遺体を発見したことをきっかけに、臓器売買の闇を追うテレビ番組制作会社のディレクター・沼崎恭太役。真実にこだわる一方で、報道の正義に苦悩する役どころだ。
また、臓器移植売買疑惑を掛けられる医師・日野誠一郎役に武田鉄矢、沼崎の同僚で元恋人、さらには日野の娘である雨宮由香里役として小西が出演する。
取材当日は、沼崎と雨宮が働くテレビ番組制作会社「イフプロ」の社内セットで撮影。報道資料などが置かれた雑然とした制作部で、小泉と社長・野呂三樹雄役の大高洋夫の問答が繰り広げられていた。緊迫感のあるシーンながら、佐藤監督のおどけた「オッケー!」という声が上がると小泉からは笑顔も。
一方、デスクで2人のやりとりを聞いているのは、雨宮役の小西。この日がクランクインだったが、シーンの合間に小泉と談笑するなど、和やかな雰囲気で撮影は進んでいた。
クランクインして2週間がたった撮影現場について小泉は「佐藤監督はユーモアがあって明るい方ですが、ドラマについて考える時は僕らもスタッフも真剣な空気感になります。普段は考えていなかったことを考えたりするので、撮影が終わった時には、今まで見えなかった景色を感じるんじゃないかと期待しています。すでにこの世界観に引き込まれていて、とても心地が良いものがある」と熱弁。
小西は、ヒロインとして本ドラマに参加することへ「難しいテーマを扱う印象ですが、撮影現場はエネルギーがあふれて、明るい雰囲気でまわっています。視聴者の方が一緒に考えてくれるような目線の方向付けができればうれしいです。私自身も一人間として考えながら進んでいくと思いますし、このテーマについて、いろいろ感じながら最後まで臨めたらいいな」と作品への思いを語った。
フジテレビ系ドラマ「僕だけのマドンナ」('03年)以来の小西との共演に「こうやって再会できるのはうれしい。20代のころは思わなかった感覚ですし、それだけ僕らも大人になったんですね。『今でもいい女性だな~』と思うし、真奈美ちゃんがすごくしゃべってくれてビックリしています。それなりに成長を重ねたことで、20代ではない空気感が生まれて、お互いにナチュラルでいられます。今回は元恋人役なので、“久しぶりの再会”という感覚が、役作りの上で助かっています」(小泉)と明かした。
同い年でもある小西は「孝太郎さんは『久しぶりで懐かしい!』と思いましたし、ちゃんとお芝居をするのも初めてなので楽しいです。前に共演した時よりもすごく話しやすくて、壁がないオープンな方だと思いました。一度ご一緒している安心感を感じながらも、役柄としてぶつかり合うエネルギーを楽しみながら撮影していけたら」と小泉の“変化”を報告。
本ドラマでキーパーソンであり初共演となる武田へは「武田さんに『やられてる~』って感じで飲み込まれたいです。武田さんと対峙(たいじ)した時に、『その色や温度はどうなんだろう』と肌で感じたくてワクワクしている自分がいます」と役者の大先輩の胸を借りる決意を表明した。
武田との親子設定での共演に小西は「親子役はすごく楽しみです。以前、ご一緒した時は、漢字の由来を熱く語っていただいて『金八先生の一人授業!?』みたいな気持ちになりました。すごく楽しかったので、また、いろんなお話を聞けたらいいなと思っています」と期待を口にした。
最後に、クランクイン前に「(自分の役者人生の)大きな転機となる作品にしたい」と熱い思いを語っていた小泉は「一つの作品で、『視聴者の方がどう感じるんだろう』とここまで強く思ったことがない。見終わった後に、『どこを見てたのか、何を感じたのか』がすごく気になる作品です。プレッシャーを持って、引き込まれる見応えのある作品にしたいです」と率直な気持ちを語った。
7月12日(日)スタート
毎週土曜夜10:00-11:00
WOWOWプライムで放送
原作=麻野涼「死の臓器」(文芸社文庫刊)
脚本=高山直也、鈴木智
演出=佐藤祐市、植田泰史
音楽=末廣健一郎
出演=小泉孝太郎、豊原功補、小西真奈美、小木茂光、川野直輝、新妻聖子、柴俊夫、武田鉄矢ほか