“組紐屋の竜”京本政樹が有楽町に登場！
CS放送の時代劇専門チャンネルでは7月19日（日）に「時代劇専門チャンネル夏祭り」と題した特別編成番組を放送する。「鬼平犯科帳」や「剣客商売」など7作品から厳選したエピソードに加えて、東京・JR有楽町駅の駅前広場にてイベント「時代劇まつりin有楽町」も開催し、その様子を生中継する。
ゲストには「必殺仕事人V 激闘編」にて“組紐屋の竜”を演じた京本政樹らが登場。イベント出演に先がけ、京本に撮影当時のエピソードや時代劇にかける思いを聞いた。
――夏にちなんだ時代劇のエピソードはありますか？
実はお正月放送の時代劇を撮るのは夏の時期なんです。あの暑苦しい完璧な武装をするのが真夏で、その逆に夏場に放送するものは冬に撮るんです。セットは綿と塩で雪を再現して、寒そうな表情をしているんですが本当はものすごく暑いんですよ（笑）。
――“組紐屋の竜”のキャラは京本さんが作り上げたそうですね
「必殺」以前の時代劇では「銭形平次」の魚屋の役のような三枚目がほとんどで、二枚目の役なんて貰ったことがなかったんです。時代劇役者としての所作は大川橋蔵さんから常々教わっていて、何となくは分かっていましたが、一番厄介なのはせりふです。自信がなくて、プロデューサーになるべくせりふを削ってほしいとお願いをして、自分のせりふが“花屋（のちに鍛冶屋）の政”役の村上弘明さんのものになったり（笑）。それで無口な設定ができたわけです。
竜が屋根の上から人を吊るし上げるのも僕のアイデア。スペシャル版とレギュラー放送版では引き上げ方が変わっていて、僕はスペシャル版の方の、屋根を突き破って引き上げるほうがいいなと思って。それで竜は必ず屋根の上にいる、ということになったんです。優男なのにずいぶん力持ちだなと言われました（笑）。
元忍者という設定も、組紐といえば伊賀だからということと、ちょうど竜の人気も上がってきたタイミングだったので、竜が主役の回を作ろうということで生まれた設定です。普段はやらないアクションもやらせてもらえたし、いつになくお金がかかっていた大がかりな回ですごく楽しかったですね。
――村上さんとの連携プレーも多かったですね
政が水中から出てきて仕置きをすると、パッと屋根の上にカメラが移って僕のシーンになる。それを雪の降り積もる真冬の京都の屋根の上で、着流し姿で脚をさらして助監督と2人で出番をずっと待っているんですよ。村上さんは水から上がって、水といってもほとんどお湯ですよ。よく見たら湯気が立っているのがわかるくらい（笑）。仕置きが終わったら村上さんはスタッフに毛布をかけてもらってお風呂に行くんです。それを「こっちには同情がないな」と思いながら屋根の上から何度も眺めていました（笑）
「必殺」の卒業には僕の骨折事故など様々な事柄が含まれているんですが、本当のことを言うと一番大きかった要因は、僕自身が「必殺」から逃げたかったということです。組紐屋の竜の人気が出過ぎてしまって、このままだとスーパーマン俳優になってしまうのではないかと思って怖くなってしまった。でも何十年も経て、やはりけれん味あふれる時代劇で育ってきて良かったと思い至るようになりました。変にリアル志向にとらわれずに格好良いことができる時代劇には大きな夢があるんです。
――時代劇復興への意気込みをお願いします
僕は時代劇のいろはを教わった最後の世代だと思います。今の撮影現場でも、時代劇として必要な要素が感覚的に分かる人間が本当に少ない。僕らの世代がそういうことを伝授していかなければならないのかもしれませんね。やはり時代劇に精通している人間が現場にいないと、時代劇ファンが期待しているような映像作りは難しいと思います。いつの間にか僕らが動かないといけないな、という年齢になってしまいました（笑）。
歴史を語り継ぐという意味でも、時代劇を知っている人間が語って、演じて、作っていかないと、マカロニウエスタンのように本当に廃れてしまう。10年後に今の状況がどうなっているかは僕らの働き次第ですね。老いも若きも集う有楽町での「時代劇まつり」、盛り上げていければと思います。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
7月19日昼11：00-夜7:00まで CS時代劇専門チャンネルにて放送
＜放送作品＞
昼11：15～ 「暴れん坊将軍Ⅱ」第100話 吉宗 越前白洲の対決
昼12：20～ 「必殺仕事人Ⅴ 激闘編」第23話 組紐屋の竜、襲われる
昼1：35～ 「大岡越前 第6部」第3話 意地っ張り三方一両損
昼2：30～ 「長七郎天下ご免！」第30話 なみだが笑った姉御寮
昼3：40～ 「闇を斬る！大江戸犯科帳」第１話 闇奉行誕生！
夕方5：00～ 「鬼平犯科帳 6」第8話 男の毒
夜6：00～ 「剣客商売 4」第4話 赤い糸
※各作品の前後に「生中継!時代劇専門チャンネル夏祭りオニワバン！スペシャル」（全6回）を生放送
同時に有楽町駅前で「時代劇まつりin有楽町」を開催
【HP】 http://www.jidaigeki.com/matsuri/
