「又吉直樹、島へ行く。」緊急再放送!ルーツ探しの旅
又吉直樹の芥川賞受賞を記念し、BSジャパンは急きょ7月31日(金)に「又吉直樹、島へ行く。母の故郷~奄美・加計呂麻(かけろま)島へ」(昼5:58-夜7:55)を再放送することを決めた。
同番組は、又吉が母親の生まれ故郷である鹿児島・加計呂麻島を旅する様子を記録したもの。
又吉は18歳のころ、「上京前にどうしても行っておきたい」という思いから加計呂麻島を訪れたものの、その時の記憶はなぜかほとんど無いという。そんな又吉が、“シマ唄”を生きがいにする老人や半農半漁の暮らしを続ける島民たちと触れ合いながら、自らのルーツを探っていく。
また、又吉は撮影の節目に旅愁を自由律詩形式で表現し、それをはがきに執筆。はがきは母親へ宛て、島内のポストに投函する。
同作は'14年3月8日に放送され、第51回ギャラクシー賞のテレビ部門選奨に選ばれている。
■又吉直樹コメント(※初回放送時に発表されたもの)
東京では厚手のコートを着込まなければ凍えてしまうほど気温が低かった1月の末に、加計呂麻島に行ってきました。加計呂麻島は、日中なら半袖でも充分に過ごせる暖かい気候でした。
この島は僕の母が生まれ育った場所です。僕が幼いころ、母は口癖のように、加計呂麻島の海がいかに美しかったかを話してくれました。その嬉々とした表情を見ているうちに、「自分も、いつか加計呂麻島に行ってみたい」という気持ちが強くなりました。
そして、上京を目前に控えた高校生のころ、母に志願し、母と共に加計呂麻島を訪れました。しかし、その時の記憶はなぜか漠然としていて頼りないものばかりでした。あれから15年がたちました。東京でいろいろな人と出会い、さまざまな影響を受けて、あのころと種類は違えど相変わらず混乱しながら生きている自分の中で、再び加計呂麻島を見たいという気持ちが強まりました。
加計呂麻島の美しい風景は優しく僕を迎えてくれました。自然と人間の境界は曖昧に溶け、島の人たちの暮らしを見て、幸福の根源を垣間見ることができたような気がしたのは、僕のおごりでしょうか。自分の人生にとって、忘れられない旅になりました。
7月31日(金)昼5:58-夜7:55
BSジャパンで再放送