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Netflix広報が語る“あなたに合う番組が分かる”

2015/08/22 12:00

SFドラマ「センス8」のワンシーン。監督は「マトリックス」シリーズ('99年ほか)のウォシャウスキー姉弟が手掛けている
SFドラマ「センス8」のワンシーン。監督は「マトリックス」シリーズ('99年ほか)のウォシャウスキー姉弟が手掛けている (C)Netflix. All Rights Reserved.

世界最大手の動画配信サービスNetflixが、9月2日(水)から日本でもサービスを開始する。

そこでNetflixの魅力を探るべく、Netflix株式会社で広報を担当する中島啓子さんに話を聞いた。

(Netflix広報を直撃「日本人は◯◯の番組が好き」から続く)

――貴社には各国でNetflixが受け入れられてきたという自負もあるのだと思いますが、なぜNetflixのオリジナル作品は支持されているのでしょうか。

もちろん制作費を掛けていることもありますが、まずはクリエーターに自由に作れる環境を提供することで、良質な作品ができると考えています。我々は広告を全く入れないので、中身に関してスポンサーの意向を気にする必要が無いんです。それから、ドラマ全話を一気に配信するというサービスも売りにしています。

――海外ではその手法が大受けし、「ビンジ・ウォッチング」という連続視聴が止められない行為を指す流行語も生んだそうですね。

はい。そうすると、次のエピソードを一週間待ったりしなくていいので、作り手は視聴者を離さないために話の最後を無理やり盛り上げる、なんて必要も無いんです。次回を見てみたら大したことなかった、というがっかりな気持ちにはさせません。

――クリエーターはいわゆる「大人の事情」にとらわれず、純粋に作品づくりに打ち込めると。

視聴者に何が求められているかという大前提のリサーチはします。でも大前提だけ作ったら、あとはクリエーターに渡すんです。全話数は10話でもいいし、13話でもいいんです。1話が15分でもいいし、90分でもいいんです。全12話を一つの“映画”として作るということもできたりする。

映画「マトリックス」シリーズ('99年ほか)のウォシャウスキー姉弟が手掛けた本格SFドラマ「センス8」は当初10話予定でしたが、途中で制作チームと「13話になりそうなんですけど」「はいどうぞ」というようなやりとりもありました。

――お話を伺っていて、Netflixが個々の視聴者やクリエーターの要望ときちんと向き合っていることが分かりました。特に視聴者と向き合うという点においては、Netflixのもう一つ大きな特徴であるレコメンド機能があると思います。視聴者一人ひとりへの的確なレコメンドを、貴社はどのように実現させたのでしょうか。

例えば観賞時間が長かったか、途中で止めたか、飛ばして見たかとか、そういう視聴行動が私たちは全部分かるんです。データとして全部残るので、「この人はこういうカテゴリーが好きなはずだ、でも実際にはこのストーリーは好きじゃなかった」などの情報が分かってくる。自分でアクション好きだと思っていたとしても、「いやいや、あなた意外に恋愛も好きですよ」みたいなレコメンドができるんです。

アメリカの人口の4分の1がNetflixに加入していて、かつそのうち75%がレコメンド機能から視聴している、というデータがあるんですが、間違ったものを薦められていたらレコメンドは使わないじゃないですか。でも使い続けられているというのは、やっぱりそれだけの精度があるんだなと思って。それに、自分で好みに合う作品を探してくるのって結構大変ですよね(笑)。

――確かに、探しているうちに時間が経過してしまうことがよくあります。

Netflixのレコメンドなら、全く知らない俳優さんの作品なんかが出てきて、それをクリックしたらとても面白かったということが、起こり得るんです。本社スタッフでトライアスロンを本格的にやる人がいて、どこかの国の名前も知らない元トライアスロン選手の軌跡を描いた作品をレコメンドされて、見たらものすごく感動したらしいんですけど、そういう検索のしようもない作品と出合うことができるんです。

――世界中の作品をNetflixが薦めてくれるんですか?

Netflixは、2016年末までに視聴環境が整っている200カ国でサービスをスタートさせるというのを目標に動いています。そうすると例えば私たちが地図で正確に指せないようなアフリカの国のコンテンツも見ることができるようになるわけです。

――日本の作品も世界に向けて紹介されていくと。

そうですね。例えば「シドニアの騎士」('14~15年、TBS系)をNetflix独占で日本以外のマーケットに配信したんですが、ものすごい反響がありました。海外でアニメはまだまだ子供のものだと思われているのですが、レコメンド機能を信頼してくれているので、「ちょっと見てみるか」という人が少なくなかったんだと思うんです。その成功例があるので、日本のプロダクションの方たちもNetflixに興味を持ってくださってます。

――技術力とコンテンツ力の両立が、Netflixが海外で支持されてきたゆえんなんですね。日本でのサービス開始がとても楽しみになってきました。

ハイクオリティーな映像コンテンツを気持よく見るためにはテクニカルが必要ですし、テクニカルが進んでも作品が伴わなければ仕方がない。今、とてもいいバランスだなと内側から見ていても思うんです。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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