「ラブシャ」初日 ゲスの極み乙女。がトリで横綱相撲
8月28日～30日の3日間、山梨・山中湖交流プラザきららにて開催されたロックフェス「SWEET LOVE SHOWER 2015」。ことしも3日間で総勢60組以上のアーティストが白熱のライブを繰り広げた。SPACE SHOWER TVでの放送に先駆けて、28日に行われた初日夜の模様をリポートする。
すっかり辺りが暗くなり、各ステージのヘッドライナーが登場する時間帯に。FOREST STAGEのトリを務めるのはGRAPEVINE。田中和将(Vo./Gt.)の「はい、こんばんは！」というあいさつとともに、“Glare”からライブがスタート。
いわゆる「四つ打ちロック」と呼ばれる、観客が一体となって盛り上がれる曲が持てはやされている昨今のフェスシーンにおいて、彼らのようにブルースやブリティッシュロックを下敷きにしたロックは、ある種「渋い」といえる存在になりつつある。
そんな中でも、丁寧に紡がれていく彼らのバンドサウンドはフェス特有の盛り上がりとは一線を画し、観客を「一音も聞き漏らすまい」という思いに駆り立てるよう。2曲目に演奏された初期の名曲“光について”では、儚さを感じさせる田中の歌声も相まって、ステージを彼らの色に染め上げていく。
一方、その後のMCでは「1万人くらい集まってくれてありがとう！ 何気にSWEET LOVE SHOWERは2回目なんですけど、こういう天候なんで、しっとりと、ゆっくりと楽しんでください」(田中)と語り掛けるなど、観客に緊張感を与えることもなく穏やかにライブは進んでいった。
サポートの高野勲(Key.)、金戸覚(Ba.)を加えた5人による鉄壁のアンサンブルは、確かな熱を帯びつつも、観客一人一人に届けるようにしっかりと聞かせていく。その世界観に圧倒されるかのように、観客は静かにステージを見つめていた。
最後は“Everyman,everywhere”を披露し、貫禄のパフォーマンスを見せつけた彼ら。それだけ演奏にも熱が入っていたのか、田中は「告知すること全部忘れてたんで」とまとめて今後の告知を行い、ステージを後にした。
Mt.FUJI STAGEでは、トリのKANA-BOONがスタート。直前のサンボマスターもかなりの人入りとなっていたが、後方までまさに立すいの余地なしといえるほどの大入りとなった。
2年前のメジャーデビュー以降、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの快進撃を見せてきた彼ら。CMソングとしても話題を集めた“なんでもねだり”など、軽快なナンバーで盛り上げる。
続く“ないものねだり”では、谷口鮪(Vo./Gt.)が「やっぱりラブシャの声は最高です。でも、このステージは(きょう)これで最後です！ そんな声でいいんですか？」と観客を煽っていき、観客もフロア一体となった「Oi！」コールで応えていく。
後半には、「みんな楽しいですか？ 僕らが楽しいとみんなに伝わるし、みんなが楽しいと僕らも楽しくなるっていう」(谷口)と、観客の生み出す熱狂にメンバーたちも乗せられていることを明かす。
そして、「楽しいついでに新曲もやろうと思います！ こういう景色が見られるのも、これまで地道にやってきたことが実を結んだ結果かなと思います。そんな曲です」という谷口の言葉とともに、新曲“ダイバー”を披露。観客たちも演奏に聴き入っていた。
昨年も同ステージでライブをしていた彼らだが、「ラブシャ3年目にして貴重な光景が見られました。きょう楽しかった思い出を忘れずに。来年もラブシャを楽しんでもらえたらと思います」(谷口)と率直に語り、最後は“シルエット”で締めくくった。
辺りが徐々に冷え込んでくる中、初日の大トリを務めるのはゲスの極み乙女。。本番前のサウンドチェックでは、「猟奇的なキスを私にして」など数曲をほぼフルで演奏し、早くも観客のボルテージを高めていく。
その後再びステージに現れた4人は、川谷絵音(Vo./Gt.)の「SWEET LOVE SHOWER 2015、よろしくお願いします。キラーボールで踊りませんか？」という言葉とともに、冒頭から人気曲“キラーボール”を披露。当然観客のテンションは沸点へ達し、早くも地面を大きく揺らすほどの盛り上がりに。
間奏では、ちゃんMARI(Key.)がショパンの“幻想即興曲”を猛然と弾く後ろで、その他3人のメンバーが縦に並びEXILEのアノ曲のようなダンスを見せ、観客の笑いを誘っていた。
その後も“私以外私じゃないの”や“ロマンスがありあまる”など、CMなどで使用され話題となったキラーチューンを連発。ちゃんMARIの「コポゥ！」というおなじみの叫びを飛び出すなど、メンバーのテンションも上がっていく。
後半のMCで川谷は「昨年Mt.FUJI STAGEのトップバッターをやって、『来年LAKESIDE STAGEのトリやります』って言ったら現実になりました！ 2年前(川谷の別バンド)indigo la Endで初めて出た時は、まさか(このバンドで)出られると思っていなかったので感慨深いです」と、この日のライブへの思いを明かした。
そして休日課長(Ba.)の「最高にスイートでラブなシャワーにしたいので、コール＆レスポンスしたいと思います！」という宣言から“ドレスを脱げ”に突入。ほな・いこか(Dr.)もここぞとばかりにステージ前方へやってきて、観客とコール＆レスポンスを繰り広げた。
本編終了後も鳴りやまない拍手に応え、3度ステージに登場した4人は、冒頭に演奏した“キラーボール”の新バージョンとなる“キラーボール(last dance ver.)”を披露。
ちゃんMARI、川谷、休日課長がそろってシンセサイザーを演奏するなど、珍しいパフォーマンスも飛び出し、大盛り上がりの中終了。今の彼らの勢いを物語るライブを見せつけ、川谷は「最高！」というシンプルな言葉でライブを締めくくった。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
Day1：10月23日(金)夜8:00-11:00ほか
Day2：10月24日(土)夜8:00-11:00ほか
Day3：10月25日(日)夜8:00-11:00ほか
SPACE SHOWER TVで放送
※Day1出演の米津玄師、Day2出演のRADWIMPS出演パートの放送はなし
