誰もがだまされる!?矢崎広が天才詐欺師に!
本日10月1日に初日を迎えた舞台「黒いハンカチーフ」の公開舞台稽古が行われ、矢崎広、いしのようこ、浅利陽介らが2時間15分の舞台を鮮やかに彩った。
「黒いハンカチーフ」は'01年に劇団M.O.Pで初演されたマキノノゾミ脚本の人気作で、'02年にはフジテレビ「演技者。」シリーズでTOKIOの城島茂と山口達也が出演した連続ドラマにもなっている。今回、約10年ぶりに'15年版としてリメークされ、さらにマキノとは初タッグとなる河原雅彦が演出を担当する。
昭和30年代の東京・新宿を舞台に、殺された娼婦の仇(かたき)を討つために再集結した“伝説の詐欺師集団”の活躍とその事件の顛末(てんまつ)を描く、“だまし合い”の痛快人情劇だ。初演当時には「ちょっとレトロな極上エンターテインメント」と評された通り、分かりやすいストーリー展開、ハードボイルドな中にも滑稽さがあり、演劇をあまり見ないという人も楽しめる作品になっている。
主人公の医師・日根(ひるね)を演じるのは矢崎広。医師…と言っても“かたぎ”の医師ではなさそうだ。よれよれの白衣で昼間から喫茶店に入り浸り、新聞を読んだりその名前の通り“昼寝”をしたりすることが日常の様子。その喫茶店「ノアール」に集うのは街の娼婦やチンピラたち。ママ(いしのようこ)はそんな常連客を優しく見守る存在だ。
ある日、チンピラの宮下(浅利陽介)が「大金が手に入る」と大騒ぎして「ノアール」にやって来るが、宮下が持ってきたメモが殺人事件を引き起こしてしまう。殺された娼婦の仇を討つため、伝説の詐欺師・フジケンを父に持ちながらその稼業を嫌っていた日根が、一世一代の“詐欺”を行う作戦に出る。
矢崎をはじめ、若手俳優が“昭和ムード”の艶やかな世界に溶け込み、変装したり、声色を変えたりしながら、相手に隙を与えない冗舌な詐欺師を熱演。
また、初演にも出演している三上市朗や、ベテラン俳優の伊藤正之、おかやまはじめ、鳥肌実、吉田メタル、村岡希美らがしっかりと周りを固める。
奥行きのある広い舞台を生かした美術セットや舞台転換のスムーズさにも注目だ。あっという間に昭和30年代の東京の世界観に引き込まれる。
仲間と仇、詐欺師と刑事…さまざまな人間が登場するが、その“肩書き”に捉えられていては、足をすくわれる。一体誰の言っていることが“真実”なのか?「だまされた!」と思わず声が出てしまうような“痛快”さを味わえるはず。
公演期間は本日より10月4日(日)まで残り6公演となっている。“だまされた”と思って劇場に足を運んで思い切り“だまされ”てほしい!
10月1日(木)~4日(日) @東京・新国立劇場中ホール
作=マキノノゾミ
演出=河原雅彦
出演=矢崎広、いしのようこ/浅利陽介、橋本淳、松田凌、桑野晃輔/村岡希美、宮菜穂子、
まりゑ、武藤晃子、加藤未知/吉田メタル、鳥肌実、神農直隆、高木稟/
三上市朗、おかやまはじめ、伊藤正之
当日券=S席7800円/A席5500円(全て税込)
【HP】le-himawari.co.jp/galleries/view/00132/00350