【前説に聞く】｢夜会｣の櫻井翔、芸人もうなる“司会術”
番組の収録前、観客と拍手や掛け声の練習をしたり、トークで盛り上げたりして現場を温めるテレビ業界の大事なお仕事「前説」。そんな前説の方々を取材し、人気番組の舞台裏を探るインタビューシリーズがスタート！
第1回は櫻井翔と有吉弘行が司会の「櫻井有吉アブナイ夜会」(毎週木曜夜10:00-10:54、TBS系 ※関東地区ほか夜9:56スタート)で前説を務める、「THE MANZAI 2013」決勝進出の実力派・風藤松原を直撃。前説を終えた直後の二人に話を聞いた。
――前説お疲れ様でした。すごく盛り上がってましたね！ この番組の前説はどれぐらいやられているんですか？
風藤：1年ぐらい前からですね。最初は同じ事務所のトップリードさんと交互に担当していて、あるときから僕らだけになりました。
――有吉さんはお二人と同じ事務所の先輩で、以前お二人は有吉さんのラジオ番組のアシスタントもされていました。もしかして有吉さんがお二人を前説に指名されたんでしょうか？
松原：いや、有吉さんが何か言ったってことは恐らくないと思いますね。
風藤：僕らネタが暗いんで(笑)、明るい芸風もできるように会社が前説の仕事を入れてくれたんじゃないかと。
――有吉さんが前説について何かおっしゃられることはありますか。
風藤：ほとんど何も(笑)。でも一回だけ褒められたことがあります。前説の後半はいつも「THE MANZAI 2013」の決勝でも使ったことわざのネタをやらせていただくんですけど、「決勝のネタを前説に持ってくるのはいいね、プライドとか前説にはいらないから」って。
松原：営業でもこのネタが結構ウケがいいんです。
風藤：一つのストーリーのネタだとずっと集中力が要りますけど、これは誰でも知ってるようなことわざをたくさん言い間違えるという小ボケの連続なので、どこから聞き始めても分かるというか。
松原：コンピレーションアルバムのようなネタですねぇ。
――前説に適したネタなんですね。前説の後はいつも収録をご覧になっているかと思うのですが、カメラが回っていないときの有吉さん櫻井さんの様子はいかがですか。
松原：櫻井さんはセットチェンジのとき、ゲストの方に何か話を振って会話をつないだりされてますね。「あの店は実際よく行ってるんですか？」みたいな。
風藤：その間、有吉さんはいつもどこかを見ながらブラブラと体を揺らしてます。ほぼしゃべらないですね(笑)。
――風藤松原さんは収録現場で有吉さんと話されたりは？
風藤：ないですね。実は普段の親交もあまりなくて、何度か飲みに連れて行っていただいたぐらいで。
――お酒好きで知られる有吉さんがどんな“夜会”を開かれているのか気になります。
風藤：すごい高級なおすしをごちそうになったことがあります。ダーリンハニーの吉川(正洋)さんと3人だったんですけど、緊張しましたね。実はその前に、僕は有吉さんに本気で怒られたっていう経緯があって。
松原：あー。
――有吉さんが以前ラジオで話題にされていた件ですよね。飲み会の席で風藤さんが上島竜兵さんをいじっていたら、有吉さんが「俺の竜さんをテレビみたいにいじるな！」と激怒したという(笑)。
風藤：そうです。そんなことがあったんですが、TBSの「有吉AKB共和国」(毎週月曜 夜2:16-2:46）に出させていただいた時に、突然収録前に「風藤、きょう空いてる？」って言われて。僕はものすごい緊張して、移動のタクシーが僕の緊張で事故るんじゃないかなっていうぐらい。
松原：そんなに？ で、その席で怒った件はもう大丈夫と。
風藤：そうですね。「別に気にしてないよ」みたいな。でも吉川さんと話そうとしたら「いや吉川、こんなやつとしゃべんなくていいよ」なんて言われて。「なんで僕だけ黙って食わなきゃいけないんですか」みたいなやりとりもあったりして(笑)。
松原：それも有吉さんの愛情ですねぇ。
――MCお二方の司会業を間近でご覧になっていて、どんなところがすごいと感じますか。
風藤：有吉さんは「これ絶対放送できないだろ」っていうめちゃくちゃなボケをされることがあって、それがすごいなって(笑)。
松原：櫻井さんはそんな有吉さんにいじられてもちゃんと返せるし、仕切りもできるし、コントもやったりして、柔軟性がすごいですね。
風藤：めちゃくちゃ頭がいいんだなと思いますね。話の流れが番組の大筋から脱線するときもあるんですけど、また流れるように進行を戻す話の持って行き方がすごいんですよ。あんな仕切りができたら無敵だろうなと。
松原：顔も良くて、仕切りもできてねぇ。あと櫻井さんはよく番組で私服がダサいといじられてますけど、そういうキャラクターを受け入れて、自分を下に落とす対応をされるのもすごいですね。
――ちなみに風藤松原のお二人は櫻井さんの私服をご覧になったことは？
風藤：ないですねぇ(笑)。ちょっと気になりますよね。
松原：私服をネタにされて、ちょっと困りながら、ちゃんと乗っかるっていう。その表情もいいんですよね。
――表情まで(笑)。
松原：あと、収録が終わって、皆さんがスタジオから出てらっしゃる時に、僕らも「お疲れ様でした」って出迎えるんです。櫻井さんはいつもみんなに会釈とかしてくださるんで、そのときは単純にうれしいですね。
風藤：それはただのファンの感想じゃないですか。
松原：気さくな方なんですよねぇ。
――この他、番組のこんなところも注目！という点はありますか。
風藤：セットが異常に豪華ですね。例えば料理をするセットだったら一式バチッと用意しますし。美術さんの細かい仕事に注目しても面白いなと思いますね。
松原：アシスタントの女の子も注目だと思いますよ。この番組を機にドラマ出たり、どんどん成長していくような気がするんですよね。
――それはどんな理由からですか？
松原：僕らの前説で笑ってくれてる時があるので、「あ、これはいい子だな」と。
――どうも松原さんの個人的な思い入れが強そうですが…(笑)。というわけで今回はここまでです。次回は風藤松原さんに前説の大変さや、ビジネスに生かせる盛り上げ術をおうかがいします！
次回「【前説に聞く】風藤松原に直撃、前説ってどんな仕事？」は1月23日(土)昼2時ごろに配信
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
毎週木曜夜10:00-10:54（関東地区ほか 夜9:56スタート）
TBS系で放送
