「花燃ゆ」井上真央撮了!兄が、夫が駆け付けた!
大河ドラマ「花燃ゆ」(NHK総合ほか)で、主人公・美和(文)役の井上真央が最終話ラストシーンの撮影に臨み、約1年という長丁場の撮影を終えた。
撮影後には、セット内で、クランクインから撮了までの軌跡をたどる思い出VTRが上映され、井上も懐かしそうな顔を見せる。
上映が終わると、スタッフから「大河ドラマ『花燃ゆ』オールアップです!」と掛け声が。井上が用意されていたくす玉を引くと、おびただしいクラッカーの音とともに、「真央さんはみんなの心に咲く花でした」とメッセージが書かれた垂れ幕が下りた。
こうして始まったクランクアップセレモニーには、最終話まで撮影のあった原田泰造、久保田磨希、檀ふみに加え、すでに撮影を終えていた伊勢谷友介、東出昌大、森永悠希、そして脚本を担当した小松江里子氏が駆け付けた。
物語序盤をけん引した美和の兄・吉田松陰役の伊勢谷は、「長い間ご苦労様でした。僕のいたころは男だらけの撮影で、それでも我々にまったくひるむことなく率い続けてくれました。本当に大変な現場でしたが、ずっとこの現場の芯として立っていらして、作中で『志』をうたっていた自分が恥ずかしいくらい、心強い姿でした」と井上をねぎらった。
美和の最初の夫・久坂玄瑞を演じた東出も、「本当にこの時代の男は好き勝手やって、家庭を省みない人ばかりで…。その後も耐え忍び、戦いという美和の壮絶な生涯を演じる中で、ずっと頑張っていたのを見ていました。本当に、真央さんが中心にいたからこそ、僕らも精いっぱい(役の)生涯をまっとうできました。今後とも健康に気を付けて、ちょっとの間休んでください」と温かい言葉を掛ける。
美和の母・杉滝役として井上を見守り続けた檀は、「これほどみんなに尊敬され、信頼され、愛された大河の主演はいなかったと思います」と絶賛。ところが、「これからも私を母上と思って…私のおむつを変え、私を看取ってください」と語りかけ、会場を爆笑させていた。
共演者たちの思いを受け取った井上は、「『花燃ゆ』は大河ドラマらしからぬ、“何も成し遂げていない人”が主人公です。私もきらびやかな姫をやってみたいなと思ったりもしたんですが、それも私らしいかなと(笑)。偉人ではなく、その裏で志を継いでいって、命を継いでいって、一生懸命に生きた人々や女性たちを描きたいという思いに心を動かされて、出演を決めました」とオファーを受けた当時を振り返る。
続けて「いろんな厳しい意見を耳にして、毎日のように泣いた時期もありました。私にできるのは、誰に何を言われても堂々と立っていること、現場で馬鹿を言って笑っていることくらいかなと思ってやっていました。でも、不安や葛藤、体調を崩したり、機嫌が悪かったりというのは、これだけの歳月を共に過ごすと簡単にばれてしまうものです。気付いた人が声を掛けてくれたり、甘いものをくれたり、好きなジュースをくれたりと励ましてくれました」と撮影中の秘話を明かす。
そして最後は「役者として力を付けて、私が支えてもらったように人を、作品を支えられるようになって、皆さんの前に堂々と立つことができたらいいなと思います。本当に感謝します。ありがとあんした!」と作中のせりふで締めくくった。
その後行われた質疑応答では、「『志』が作中のキーワードになりましたが、井上さんの新たな志は?」という質問に、井上は「(撮影を終えて)燃え尽きてしまうと思うんですよ、朝ドラの時もそうだったんですけど(笑)。これまで規則正しい生活をしていたので、明日からダメ人間にならないように、規則正しい生活をしたいです」と目標を立てていた。
大河ドラマ「花燃ゆ」は、12月13日(日)の最終話まで、毎週日曜夜8時からNHK総合ほかで放送される。
毎週日曜夜8:00-8:45ほか
NHK総合ほかにて放送中