映像の発明からおよそ100年、さらに大型ドキュメンタリー「映像の世紀」放送から20年にあたることし、NHK総合では10月25日(日)から新シリーズ「新・映像の世紀」が6回にわたり放送される。俳優の山田孝之が番組シリーズの語りを担う。
「映像の世紀」が歴史の表舞台を描いたのに対し、新シリーズでは6つに分けた時代ごとに、歴史を動かした主役・脇役たちの人間ドラマを見詰め歴史の深層に切り込んでいく。
さらに、前シリーズより新たに発掘された貴重映像が、最新のデジタル技術によって修復され、薄れゆく人々の記憶に訴えかけていく。
10月25日(日)の放送される第1集『百年の悲劇はここから始まった』では、発明されたばかりのムービーカメラが初めて本格的に動員された第一次世界大戦に焦点を当て、戦争に関わった人物の人間像に迫る。
人類史上初の化学兵器となった毒ガスを発明したドイツのフリッツ・ハーバー博士や、“砂漠の英雄”と呼ばれる一方で現在の中東紛争のきっかけを作ったイギリスのトーマス・エドワード・ロレンスなど、歴史を彩った人物たちの姿を、残された映像の中に見ることができる。
エグゼクティブプロデューサー・寺園慎一氏は「20年前に放送したときと同じ時代を扱ってはいるが、新作にあたり90%は新たな映像を使用して制作している」と新シリーズの魅力をアピール。
新シリーズの構成の意図について問われると「第一次世界大戦は今の世界と密接につながっていて、現代の産物ともなっているため、今につながるメッセージになると考えた。ヒトラーの狂気だけが惨事を起こしたわけではないという第3集の内容など、今まで言われてきたことを丹念に追及するなかで今につながるテーマを見いだしていきたいと思った。また、20年前に唯一やっていない第6集のテーマでは、世界の中で映像がどういった役割を果たしているのかについて追っていく」と貴重な映像が現代のわれわれに与える影響の大きさについて訴える。
シリーズの引継ぎについての質問には「21世紀こそが本当の映像の世紀。たくさんの出来事が映像として残されているからこそ、それが憎しみを生んだり、メンタリティーに呼びかけたりするものだと考えると21世紀の映像を使った制作もできるのではないかと思う」と答え、次回作への可能性を語った。
大きな反響を呼んだ「映像の世紀」放送から20年。10月25日(日)から始まる新シリーズでもまた、映像という歴史の記録に圧倒されることだろう。
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