WOWOWは、開局25周年記念として'16年春に「沈まぬ太陽」を連続ドラマで放送することを発表した。
「テレビドラマ化不可能」とされてきた山崎豊子の最高傑作を初めてテレビドラマ化する本作は未曽有の航空機墜落事故という悲劇の裏で信念を貫き巨大組織で生きる者たちの姿を描く。
連続ドラマWシリーズ過去最長となる全20話で構成し、アフリカ・中東での海外ロケなどかつてない規模での製作に挑む。
主人公・恩地元を演じるのは山崎作品をテレビドラマ化した「大地の子」('95年、NHK総合)で新人ながらも主人公を演じ一躍脚光を浴びた上川隆也。20年の歳月を経て、山崎作品の主役に再び抜てき。
さらに、そのライバル行天四郎役に渡部篤郎が決定している。
上川は「私の人生を大きく変えることになった『大地の子』放映から20年が経ちました。自らも50代に入り、一つの大きな節目を迎えたこの時に、山崎先生の作品に携わる機会を得られた事に、何とも申し上げようもない御縁を感じます。感謝と共に驚きを禁じ得ません」とコメント。
主人公・恩地元を演じるにあたり「虚心坦懐、臨みたいと思います」と意気込みを見せた。
上川のライバル役を演じる渡部は「山崎豊子さんの作品に出演させていただくことは、大変光栄な事だと感じております。素晴らしい原作を映像化する事は、非常に困難な作業になると思いますが、多くの原作ファンの方に、納得していただけるよう、楽しんでいただけるよう、心を込めて演じさせていただきます」と決意を明らかにした。
また、青木泰憲プロデューサーは「現代社会への警鐘を鳴らす小説を発表してきた日本を代表する作家・山崎豊子。『白い巨塔』『華麗なる一族』『不毛地帯』等、誰もが知る名作を数多く残しているが、その中でも唯一テレビドラマ化されてないのが、700万部を超える大ベストセラーであり、最高傑作とも言われる『沈まぬ太陽』。想像を絶する組織の不条理に決して屈することなく、最後まで正義を貫いた主人公・恩地の想いは、 全20話を通して視聴者の心をつかみ続けるものと確信している」と語った。
そして「組織に逆らい左遷され続けた男・恩地と、組織に従い出世し続けた男・行天という対照的な二人の人間ドラマは最終的にどのような結末を迎えるのか最後まで見守っていただきたい。この重要な二人のライバルの役は、私がプロデュースしてきた作品を数多く支えてくれた上川さんと渡部さんのお二人に迷わずオファーしました。とても信頼しているお二人なら間違いなく自分がイメージする人物像を演じきってくれると思ったからです」(青木P)とオファーの決め手を明かし、自信をのぞかせた。
<ストーリー>国民航空の労働組合委員長・恩地元(上川隆也)とその同志で副委員長の行天四郎(渡部篤郎)は、死亡事故が起きるほど劣悪な労働環境の改善を目指し経営陣と激しく対立する。
空の安全を第一に考え、時に愚直に行動する恩地は経営幹部に疎まれ、海外の僻地へ左遷されてしまう。一方現実主義の行天は恩地と決別し、幹部に取り入りながらも自らの理想の会社像を追い求め出世していく。
やがて、空の安全を軽視した国民航空は大型旅客機の墜落事故という未曽有の惨劇を引き起こす。日本に戻っていた恩地は遺族係となり、尊い命を奪われた遺族たちの深い悲しみに真摯(しんし)に向き合う。
そんな中、日本政府は国民航空の建て直しのため、関西紡績の国見にトップ就任を要請。会長に就いた国見は恩地を会長室部長として呼び寄せ、組織にはびこる不正を調査させる。
恩地は失墜した会社の再生を信じて奔走するも、その前に立ちはだかったのは常務にまで上り詰めた行天だった。
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