「黒い樹海」沢村一樹『最後までドキドキさせますよ』
3月13日(日)に放送される、「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 第二夜『黒い樹海』」(テレビ朝日系)で、主人公・祥子(北川景子)を取り巻く謎めいた小児科医・西脇満太郎を演じる沢村一樹にインタビューを敢行。極寒だったという長野ロケでのエピソードや主演の北川の印象、そして見どころなどを語ってもらった。
――まずは作品に参加された感想をお願いします。
僕は北川景子さんと向井理くんと共演するのが初めてだったので、撮影が始まる前、とても楽しみにしていましたし、ロケを終えた今も、とても充実した撮影ができたなと思っています。
――主演の北川さんの印象はいかがですか?
バラエティーでの受け答えを見ていても、頭の回転がすごく早い方だなという印象を受けました。それでいて選ぶ言葉のチョイスも絶妙。関西出身の方なので、笑いのツボを心得ていて常に意識しているように見えて、隣でお話を聞いていても、心地いいです。
――今回、沢村さんが演じられる西脇は、少し女性関係が派手な“チョイワルドクター”のようですね。
少し女性にだらしない部分が強く見えた方がいいなと思って演じていました。あくまで僕の見解ですが、ストレスがたまっている時、食べ物に走る人がいればお酒に走る人もいるし、それを昇華させてスポーツにぶつける人もいたり、仕事に没頭してみたり…。人それぞれいろいろあると思うんですけど、西脇の場合、仕事はもちろんしっかりやりますけど、ストレスのはけ口という意味で女性にいっちゃうのだろうなと思います(笑)。
――そのあたりは、共感できますか…?(笑)
いやいや、共感する…とは思っていても言えないですよ!(笑)
ちゃんとしていて仕事もきちっとやっているのに、そこだけはどうしてもだらしないという人はいると思うし、性分なのかなと。今回、その女性にだらしないという面だけでなく、サスペンス色が強いドラマなので、西脇に関してもダークサイドの部分がチラホラ見えるように心掛けました。
――なるほど。極寒だったそうですが、長野ロケの印象は?
大変でした! 朝から日が暮れるまであんなに寒いところにいられませんよ(笑)。スタッフさんともいろいろ話しましたが、あんなに寒いところにじっとしているのはワカサギ釣りに来た人くらいじゃないですか?
――毎日長い時間雪山で撮影されたのですか?
長いってもんじゃないですよ! 日の出とともに起き、日の入りまで撮影していた日もありましたから。でも、僕らは撮影合間に休みもあって、暖を取ることができたんですけど、スタッフさんはずっと外なので、現場の皆さんは大変そうでした。
――長野ならではの味覚は食べられましたか?
あまり食べられませんでしたが、松本駅の駅弁はおいしかったですよ!(笑) 松本で採れた旬の野菜が13種類くらい小分けにされていて、見栄えもきれいですし、あれは松本っぽかったですね。
――寒いと言えば、共演者の小池栄子さんが「沢村さんは寒くて下ネタを言える感じじゃなかった」というようなことをおっしゃっていましたが、そうなんですか?(笑)
えっ! そんなに寒そうに見えたかなあ?(笑)
寒かったからというより、小池栄子ちゃんには言いませんよ。何度か共演させていただいていますが、下ネタを言うのはやぼだなと思って。彼女なら簡単に受け止めるでしょうし、かわすでしょうし、そんな無駄な事をしてもしょうがないかなと。「え~!?」ってならない人には言わないですよ(笑)。
――そうでしたか。それもあってか、「丸いおじさんになったなあ」としみじみおっしゃられていました(笑)。
そっか~。じゃあもっと攻めた方が良かったですねえ。栄子ー! それならそうと言ってくれよ!(笑)
――(笑)。沢村さんは単発ドラマも連続ドラマも数多く出られていると思いますが、それぞれの向き合い方は違うものですか?
違いますね。現場での動きは変わりませんけど、単発は結末まで最初に分かっているのでプランが立てやすいんですよ。結末が分かっている分、ここはこうしようという選択肢が狭まるというか、二者択一だったりするので。
反対に連ドラだと、もしこうなったらこうしよう、とその場その場で対応できるようにニュートラルな部分を用意しておかないといけませんので。そういう意味では結末が見えている分、単発ドラマの方が演じやすいかもしれませんね。
――仕事を離れて、オフで一番リラックスできる瞬間はいつですか?
体を動かすということは意識してやっています。じっとしていようと思えば、いくらでもじっとしていられる性分なので、あえて動くようにしています。
軽くストレッチをやってみたりとか、懸垂をしてみたり、スクワットしてみたり。最近懸垂を10回やるとふわっと体が軽くなるんですよ。たぶん、来年になるとまた全然違うことを言っていると思うんですけど(笑)。今はそれで体をリセットさせることが気分転換です。
――ことしの干支にちなんで、沢村さんが一番“ウキウッキー”する瞬間はいつですか?
なるほど、猿でウキウキね!(笑) 僕、あまり人混みは好きじゃないのですが、ドラマの中でパーティーのシーンがあったんです。そのシーンの前はちょっとウキウキしました(笑)。
プライベートでパーティーに行くか?と言われたら行かないですけど、ウキウキしました。女性がみんなおめかししているじゃないですか。エキストラの女性たちが気合いを入れて現場に足を運んできてくださっていることに、とってもウキウキしました(笑)。
――最後に、ドラマの見どころをお願いします。
景子ちゃんと向井くんという若い2人が松本清張作品に挑戦します。以前映像化されたときの作品と、同じ作品でもこんなに変わるんだということが楽しめると思いますし、松本清張を知らない若い方には、昭和の匂いというものを感じていただけると思います。
見ていただけたら最初の映像化から50年以上たっているのに、どうしてこの作品がいまだに作品として愛されているのかが分かるのではないでしょうか。フラットというか、賢い人が多い世の中で、こういう昭和のギラギラ・ドロドロした作品を見て、人間ってこういう面もあるんだなということを感じてほしいですね。
原作とは全然違う展開になりますから、原作好きの人にもこのドラマならではのアレンジを楽しんでほしいです。最後の最後までドキドキさせますよ!(笑)
3月13日(日)夜9:00-11:10
テレビ朝日系で放送
写真提供=テレビ朝日
衣装協力=スーツ(ミラ・ショーン/ロンナー)、ネクタイ(フェアファクス/フェアファクスコレクティブ※ネクタイは参考商品)
ヘアメーク=富田晶(MARVEE)
スタイリスト=西ゆり子(C.コーポレーション)、吉田由紀(C.コーポレーション)