松本清張作品初挑戦の北川景子が、主演を務める松本清張ドラマスペシャル「黒い樹海」は、笠原祥子(北川)が姉・信子(小池栄子)を不慮の事故で亡くし、その死に疑問を抱くサスペンス。信子と同じ新聞社の文化部記者・吉井亮一(向井理)は、祥子の前に突然現れ、共に真相を探り始める。
実力派俳優として、これまでさまざまな役を演じてきた向井に、今作に懸ける思いから現在のマイブームまで、ここでしか見られない向井の素顔に迫る!
――この作品に参加されてどんなお気持ちですか?
以前にも松本清張作品に出演したことがあるのですが、作品自体も違うものですし、監督や共演者によって全然違ってくるので、新たな気持ちで演じています。僕が演じている吉井は、立ち位置を大事にしていかないといけない役どころなので、そこは意識しました。
――吉井について、どんな印象をお持ちですか?
吉井はいい人ではなく人間くさい人なので、演じていてすごく楽しいですね。ミステリアスなところがあるので、あえて連続性を持たせないようにしています。
普段、連続ドラマだったら、こういうキャラクターで、こうなっていくってことを意識しているんですけど、今作ではそういう“助走”はつけてないです。そのシーンごとの感情を素直に出していくことで、吉井の何を考えているか分からない感じが表現できると思っています。
――役作りはどんなふうにされましたか?
あまり役作りっていうことを意識したことがないんですよね。体重の増減とか外見のことだったらもちろんありますけど、でもそれを役作りというのかは分からないですね。
台本で受けた印象をなるべく裏切っていきたいっていうのは常にあって。自分が演じるからには、自分にしかできないと思わせたいし、思いたいので。こうくるだろうなという演技はやらないようにしています。
――ご自身と吉井の共通点ってありますか?
意識したことはないので、共感できる部分は少ないと思います。ただ、吉井のライトなスタンスはいいなと思います。
――長野ロケも含めて撮影現場ではどんなふうに過ごされましたか?
面白いスタッフがいたので、そのスタッフについて北川さんと話したり(笑)。たわいない話で和気あいあいとしていましたね。長野ロケでは、行ったホテルに温泉があったので、入りたかったんですけど…ちょうど掃除中で入れませんでした。でも山の中とか、雪深いところに行く機会ってあまりないので、自然の景色を見られて楽しかったですね。
――この作品に限らず、演じるために日頃から何かされていることはありますか?
人間観察が好きなので、街中でもそうですし、車の中から横断歩道を歩いている人を見たりしています。例えば、エリートを演じる時にエリートの人を探して見たりするんですけど、どうしてその人をエリートだと思ったのかって考えると、服装や歩き方、仕草だったりするので、そういうちょっとしたところを見ています。
常に意識してというよりは、無意識なんですけど、そういったことをインプットしていって、その蓄積したものを自分なりに作り変えて、新しいものに見せていっているんだと思います。
演技のためということではないのですが、日常的に本や詩を読んでいて、それが間接的に役に立っていることはあると思います。お芝居は想像したことを、どれだけ体現していけるかということだと思うので。
――そんな多忙な向井さんですが、リラックス方法とかマイブームってありますか?
そんなに行けてないのですが、キャンプが好きなんですよ。自然の中にいるととても気持ちいいし、何も考えずにいられるので、ことしはもっと行きたいなと思っていますね。
――最後にドラマの見どころをお聞かせください。
もちろん誰が犯人なのかってこともそうなんですけど、こういったシリアスな作品は久しぶりで、吉井のようなライトなスタンスもあまりないので、その辺りも楽しんでもらえたらなと思います!
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