「お義父さんと呼ばせて」砂清水役・山崎育三郎に聞く
遠藤憲一&渡部篤郎W主演ドラマ「お義父さんと呼ばせて」(フジテレビ系)で、紀一郎(渡部)の部下・砂清水誠を演じる山崎育三郎にインタビューを敢行。
役作りや共演者とのエピソードなどについて、たっぷりと語ってもらった。
――最初にオファーを受けられた時は、オリジナル脚本ということで、どう役作りを考えていきましたか?
初めて監督にお会いしてお話ししたときに「ミュージカル界のプリンス、山崎育三郎さんのイメージで、“キラッキラ”でお願いします」ということだけ言っていただいて(笑)。最初はどうしたらいいんだっていうところから始まり、そこからイメージを膨らませていきました。あとは現場での監督とのやりとりや、渡部さんからもいろいろな意見を頂きながらで、皆さんにつくっていただいたという感覚はありますね。
――“キラキラ感”を出すために、どんなところで工夫されましたか?
とにかく砂清水の美蘭(蓮佛美沙子)ちゃんへの気持ちは、もう100%なんですけども、(砂清水は)自分のことも大好きだろうとか、品があるとか、ちょっと服装もオシャレを気にしているだろうとか、考えていきました。
また、(砂清水の)憧れは渡部さん演じるアントニオなので、アントニオのしぐさやファッション、見た目も常に意識して、自分がどういうふうに見えているかみたいなことを、常に意識しているような男だろうなと。
ただ、本人はとにかく純粋で、やっていることに全力で、それが一番カッコいいと思っていて。自分が一番ステキだと信じて、真っすぐ生きてるという。それが周りから見たら、ちょっと面白おかしく見えているんだと思います。
――渡部さんからは、どんなアドバイスがあったんでしょうか?
砂清水は渡部さんとのシーンがとにかく多いんですけれども、渡部さんは「砂ちゃんいいね! きょうもいいよ、イケてるよ」と、すごく盛り上げてくださって。自分が現場で裸になれるというか、そういう空気を渡部さんが作ってくださっています。「もう、やっちゃっていいよ」と。
そして、僕の今回のテーマとして、監督から「もうやり過ぎだ」って言われるくらい挑んでいくというのがあるんですが、その時に常に横に渡部さんがいて、「今の面白いね」とか、「もうひとつ、こういうのを入れたら面白いんじゃない」とか言ってくださるんです。「アイアイサー!」の言い方を「ちょっとテンション上げて言ってみて」とか(笑)。そういういろんなアドバイスはすごく渡部さんがくださっていて、助けられています。
――ちなみに、共演する先輩、遠藤憲一さんと渡部さんの印象についてはいかがでしょうか?
渡部さんはやっぱりクールで、カッコ良くて、テレビの印象だとちょっともう、大先輩過ぎて近寄りがたい方なのかなと思っていました。実際は、本当に真逆でムードメーカーですし、渡部さんがいたから今回僕はのびのびできたって言っても過言ではないくらいです。
本当にたくさん助けていただいて。砂清水の役も渡部さんと一緒に作ってきた感覚があるくらい、すごくいろんなアドバイスを頂きました。
そして、遠藤さんとはライバル役なので、お芝居でもガンガン自分から攻めていくような感じだったんですけども、本当に普段も(遠藤は演じる)保さんのままなんですよね。
「あ、山崎くんミュージカルの人なんだって? ちょっとなんか歌ってよ」みたいな、ずっとそんな感じで(笑)。「俺歌下手だからさぁ、ミュージカルすごいよね」って(笑)。
ずっとほわっとした感じで、だからもう、リラックスできますよね。
――主演のお二人の環境づくりと言いますか、お芝居をするための、最高の環境を作ってくださっている感じなんですね。
そうですね。作品がコメディー要素もあるので、現場が和やかでみんなが裸になれるというか、全力で役に挑める空間っていうのを、お二人が作ってくださってるなというのは本当に実感しています。
――そういう周りの環境もあってできていった砂清水のキャラクターですが、ドラマが始まってからの手ごたえはいかがでしょうか?
とにかく反響がすごくて、砂清水を演じてから街を歩いていたら「砂清水だ!」とか「砂ちゃんだ!」とか言われています。
この間も女子高生に囲まれて(笑)、「うわ、砂清水だ! ウケるんだけどー!」って。「ウケるんだけどー!」ってなんだろうって思いながらも(笑)、この作品のスパイス的な存在になれればいいなと思っています。
僕自身は、これまでミュージカルの世界でやってきて、どちらかというと、シリアスな作品や王子様役も多く、正直、こういうコミカルな役はほぼ初挑戦なんです。
でも、やっぱりミュージカルを見たことがない方にとっては、山崎育三郎=「下町ロケット」の真野だったのが、今では山崎育三郎=砂清水になってしまって。普段からこういう人なんじゃないかと言われることがすごく多いんですけども、自分としては、この作品で新しい自分に出会えたなというところと、引き出していただいたなという。
――砂清水はご自身の新境地の側面も大きいということですが、蓮佛さんからは、砂清水に対してどんな感想がありましたか?
とにかくいっつもニコニコ見てくれていますね。お芝居のときも、「笑いをこらえるのが大変」だとか、「本当この役好き」とか言っていただいたりします。でも、(砂清水は)なかなか振り向いてもらえないっていう(笑)。
――そんな中、ラストに向けては千代さん(伊藤修子)が猛烈にアタックしていきますね(笑)。
今まで割とずっと、砂清水がみんなを圧倒したり、押したりしている存在でしたが、初めて今ちょっと押されて、自分のペースが崩される瞬間が後半にはありまして。ちょっと千代さんは、何者なんだっていう。
――強いキャラ同士がぶつかる感じですね。
“でも負けない”っていう気持ちで、押されたり押し返したりしながらやっています(笑)。ラストはちょっと、千代さんとの関係もものすごいことになっていて。そこはぜひ楽しみにしていただきたいです。
毎週火曜夜10:00-10:54
フジテレビ系で放送
※最終回は3月15日(火)