「これじゃない!」板野友美がAKB48時代の苦悩を告白

2016/03/25 05:00 配信

映画

「のぞきめ」で初主演を務める板野友美撮影=西村康/スタイリスト=MANA KOGISO/ヘア&メーク=宮本由梨(roraima)

板野友美が初主演を務める映画「のぞきめ」が4月2日(土)に公開される。

同作品は、三津田信三による同名ホラー小説(角川ホラー文庫刊)を実写映画化したもので、誰もが一度は感じたことがある“のぞかれる怖さ”を描いた、いままでにないジャパニーズ・ホラー。

テレビ局で働く新米AD・三嶋彩乃(板野)は、ある青年の謎めいた怪死事件を取材する。狂ったように「“のぞきめ”の仕業だ」と泣き叫ぶ青年の恋人から話を聞いた彩乃は、彼らが遭遇したある出来事を調べ始める…というストーリー。

今回、初主演を務める板野にインタビューを敢行し、作品に懸ける思いや見どころについて語ってもらった。

――初主演と聞いた時の感想は?

すごくうれしくもあり、プレッシャーも感じたのですが、何よりホラー作品が苦手でいままで見たことがなかったので、「出来るのかな」という不安の方が大きかったです。心霊体験の経験もないですし、普段は人前で叫んだり、感情をあらわにすることもないので、監督に手取り足取り教えていただきながら、体当たりで演じさせていただきました。

――監督からどんなことを指導してもらったのですか?

彩乃は芯のあるしっかりした女性なので、話し方や歩き方まで、細かく指導していただきました。彼氏役の信二(白石隼也)と一緒にいるシーンでは、私の態度がちょっと甘い乙女に見えてしまうところがあって、「彩乃だったらもっと甘えないと思う。そのせりふの言い回しだとちょっと甘く聞こえちゃうから、もう少し甘えないような話し方で話してほしい」とか、歩き方も「そうやって歩くとかわいく見えちゃうから、ちゃんと凛として歩いてほしい」など、すごく丁寧に教えていただきました。

――新米ADという役柄については?

これまでは、私のイメージをそのまま踏襲したような役しかやったことがなくて…けんかの強い不良の役なんですけど(笑)。だから、「ADさんの髪型や服装はどんなのだろう?」というところから考えて、周りの人に意見を聞きながら役作りをしていきました。アーティスト活動では、自分のやりたいことを反映していただきながら、自分の意見を核にして作り上げていくのですが、演技のお仕事ではいろんな人の意見を取り入れて、一人のキャラクターを作り上げていく。そのアプローチがすごく新鮮で楽しかったです。これから、アーティスト活動と共に、女優活動にも積極的に取り組んでいって、自分の幅を広げていきたいなって思いました。

――苦手なホラー作品の撮影はいかがでしたか?

最初は原作を読ませていただいたのですが、日常的に感じる恐怖を描いた作品なので、夜に一人で読んでいたのですが、もう怖過ぎて「これは昼に、みんながいる時に読まないといけないな」と途中で断念。それからは、周りに人がいる仕事現場の合間とかに読んでいました。それでも、撮影が始まるまでは、いろいろ勝手に想像して勝手に怖くなって、「呪われるんじゃないか」というくらいに思ってたんです。でも、撮影が始まると慣れちゃったというか…(笑)。撮影現場では、死体代わりの人形が転がっているというのが日常茶飯事で、怖い顔を見ても「ああ…」というくらいになりました。ホラー映画出演を通して強くなったと思います!(笑)

――では、他のホラー作品も見られるようになった?

それはなってない!(笑) この作品に関してのみ、試写会やDVDで何度も見たので大丈夫になっただけです。でも、最初の試写会では怖くて目を覆いながら鑑賞してたんですよ。ナレーション録りの時は、おばけの登場シーンで思わず叫んでしまったこともありました。

――憧れの職場で働きながらも、理想と現実のギャップに悩んでいる彩乃ですが、理想と現実のギャップに悩んだ経験は?

14歳でAKB48に一期生として入ったのですが、SPEEDさんのような歌って踊れるかっこいいアーティストになりたかったんです。でも、入ってみると制服を着て、振りでハートを作って、投げキッスして…。幼いながらに「目指していたのはこれじゃない! 私、これでいいのかな?」ってずっと葛藤していました。AKB48を卒業した今では、クールだけじゃなくかわいらしく見せるのも必要だなと思うのですが、当時は若かったですし…(笑)。

――今作では、主題歌も担当されていますが?

「HIDE & SEEK」という曲なのですが、「のぞきめ」の主題歌として歌詞を書き下ろしてもらいました。普通に聞いたらロックな曲調で結構かっこいい感じになっているんですけど、「のぞきめ」を見た後に歌詞をよく聞くとすごく怖く感じるという、2倍楽しめる曲になっています!

――最後にメッセージをお願いします!

普段の板野友美とは、また違った私が見られるんじゃないかなと思います。体当たりで演技させていただいたので、ぜひ見てもらいたいです。また、この作品は“のぞかれる恐怖”と“自分の周りの人が壊れていく恐怖”という2つの恐怖が描かれていて、その2つの恐怖が合わさった時はすごく怖いと思います。だから、見る際には一人じゃない方がいいんじゃないかなと思うので、ぜひ大人数で見に来てください!(笑)

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