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梅宮辰夫が伝説の作品群の秘話を語り尽くす!!

2016/05/10 11:57

公開収録中にインタビューを受ける梅宮辰夫
公開収録中にインタビューを受ける梅宮辰夫

東映の歴史を振り返る際に欠かせないスターや監督たちが貴重なエピソードを披露する、CS放送「東映チャンネル」のオリジナル番組「レジェンドトーク」の公開収録が行われた。今回のゲストは『不良番長』シリーズや『夜の歌謡』シリーズなど数多くの代表作を持ち、150作を超える東映映画に出演してきた梅宮辰夫。司会の杉作J太郎が呼び込むと、梅宮は『夜遊びの帝王』(70年)の主題歌だった自身の曲「シンボルロック」を口ずさみながら登場した。

トークは、芸能界入りしたきっかけからスタート。これまであまり振り返られる機会のなかった初期の出演作品『少年探偵団 敵は原子潜航艇』(59年)や『遊星王子』(59年)や、貴重な裏話の数々、さらに、三田佳子とゴールデン・コンビとして売り出された時代の思い出や、『不良番長』シリーズの撮影エピソード、『仁義なき戦い』シリーズでの役づくりに関する秘話などが次々と登場。この収録では『不良番長』シリーズやテレビドラマ『明日の刑事』(77年)などでも梅宮と共演した谷隼人や、同じく『不良番長』シリーズで監督を務めた内藤誠も参加。

3人によって、さまざまな角度から60~70年代の東映作品の魅力が語られた。今回の公開収録前に行われたこのインタビューを読めば、6月の梅宮辰夫特集がより深く楽しめる!

――俳優デビューのきっかけはスカウト?

僕は親父が医者だったから、本来は医者にならなくちゃいけない立場だった。それに当時は今みたいに、誰も彼も映画やテレビに出られるという時代じゃなくてね。親からも「芸能界なんて、とんでもない」と反対されましたよ。でも、僕に声をかけた人が、その前に佐久間良子さん(東映第4期ニューフェイス)を発掘していて、今度は男優で良い素材を探していたと、すごく熱心に誘っていただいたんですね。それで結局、1年だけ芸能界を覗いてみるというような約束で、東映に入ったわけです(第5期ニューフェイス)。

――デビューが1958年で、翌年には『少年探偵団 敵は原子潜航艇』で初主演を飾られますね。

当時の映像を観ると、我ながら図々しくも、よくやっているなと思いますね(笑)。あのころ、ニューフェイスは俳優座で半年ほど研修を受けてからデビューするシステムだったんだけど、こっちは大した勉強もしていないし、そもそも1年で辞めるつもりだったから「良い俳優になるぞ」みたいな覚悟もないんですよ。だから2作目の『遊星王子』(59年)のときは怒られたんです。若林榮二郎監督っていうのが、とてもカットを細かく割る方でね。連日、深夜までの撮影が続いた。僕は仮面も自ら被って演じましたが、今と違って、当時のああいう仮面っていうのは出来が悪いんですよ(笑)。息が苦しいわ、スーツは暑いわで、撮影が終わったときに「もう二度とやりたくない」と言ったら、宣伝課長から「贅沢言うんじゃない」と。「嫌ならやめろ」と言われたのを覚えています。

――それでも「1年」の約束のはずが、出演作が続いていきました。

仕事が切れていたら、辞めていたと思いますよ。ただ、なんだかんだで作品が続いたんです。『殺られてたまるか』(60年)という映画で、初めて三田佳子と組んで、それからしばらく「ゴールデン・コンビ」なんて言われることになるんですが、あれはもともと僕の役じゃなくて、代役だったんです。本当は波多伸二くんという、東映が売り出そうとしていた俳優が主役に決まっていたんですが、撮影が始まってすぐ、現場でオートバイの練習中に事故を起こしてしまったんですよ。それで「代わりをやれ」と言われた。こっちに選択肢はなかったですね。三田佳子はあの作品がデビュー作だったんですが、僕が来たときは「こんな人が相手役なのか」と思ったらしいですね(笑)。

――三田さんとのコンビの時代を経て、昭和40年代に入ると『夜の青春』シリーズで主演されました。さらに1968年からは『不良番長』シリーズがスタートし、全16作にわたる人気シリーズになりましたね。

あれは、のめり込んでやりました。周りがみんな後輩ばかりだし、彼らが自分の役をきっちり作っていたから、とてもやりやすかったんです。ただ、みんな若い盛りでしょう。撮影が終わったらディスコなんかに連れて行ってたんだけど、「明日の撮影には遅れるなよ」と言っても、遅れてくる奴がいるんだ(笑)。だから撮影所の門のところに、バットを持って立っていましたよ。亡くなった安岡力也のケツとか、何度も叩いた覚えがあります。

――『不良番長』シリーズが終了後も『仁義なき戦い』シリーズなどに出演される一方で、テレビドラマにも本格的に進出されていきましたね。

ショーケン(萩原健一)や桃井かおりたちと一緒にやった『前略おふくろ様』(75年)あたりが最初でしょう。あれは脚本の倉本聰さんが「梅宮さんにピッタリな役だ」と言って、刑務所帰りのやくざという役を書いてくれた。それがまぁ、うまくハマったんでしょうね。『スクール☆ウォーズ』(84年)のラーメン屋のおやじの役とか、そういう方向へつながっていったんだと思いますよ。

――俳優デビューから間もなく60年になろうとしていますが、ずっと芸能界の第一線を歩んでこられた方も稀有だと思います。

ただ、ちょっと寂しい気はしますね。最近は、なんていうのかな……近寄りがたい雰囲気を持ったスターというのがいなくなったでしょう。今の言い方で言うなら、みんなオーラがないんだな。それこそ高倉健さんみたいな人は、もう出てこないと思う。良い女優だなと思ってもイメージが崩れるようなCMに出たりするし、実力がありそうだと思ってもブログで金を稼いでいるような俳優もいるからね。むしろオーラなんてあったら邪魔な時代になっているのかもしれない。自分は別に、時代に合わせようなんてつもりはないよ。今さら、変えられないし(笑)。あくまで昭和の映画俳優ってことで、良いんじゃないかと思っています。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

【放送情報】
『レジェンドトークVol.6 梅宮辰夫』
6月11日(土)14:00-15:00
東映チャンネルで放送、再放送17日(金)20:00-21:00、22日(水)26:00-27:00、24日(金)21:00-22:00
また同月には「ザ・東映レジェンド Vol.6 梅宮辰夫」と題して『ダニ』(65年)、『渡世人』(67年)、『血染の代紋』(70年)、『夜の女狩り』(72年)、『やくざ対Gメン 囮』(73年)など、梅宮の歴代主演作もたっぷり放送。

画像一覧
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  • 公開収録中にインタビューを受ける梅宮辰夫
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