佐野プロデューサーに聞く「あさが来た」の魅力とは?

2016/04/01 16:32 配信

ドラマ

「あさが来た」最終回は4/2(土)に放送(C)NHK

いよいよ連続テレビ小説「あさが来た」の最終回が4月2日(土)に放送される。1日の放送では、長年連れ添った新次郎(玉木宏)が亡くなり、最終回ではその後のあさたちの姿が描かれる。

現在までの平均視聴率も23.4%を超え、最高視聴率も27.2%と、まれに見るヒット作となった。今回、撮影を終えた後の佐野元彦チーフ・プロデューサーのコメントから、その魅力に迫った。

――今回、作品のストーリーは史実とフィクションの間の作品でしたが、この2つをどのように集約してていったのでしょうか?

これはものすごく難しい作業で、脚本の大森美香さんも苦労されたと思います。今回、ヒロインのモデルになった広岡浅子さんが、本当に歴史上の著名な人たちと実際に会っていたんです。五代友厚さんと広岡さんは、大阪財界でトップの方なので、頻繁に会っていました。やはり、本当にあったことがベースになっているというのは、見ていて気持ち動かされる要因になるんだと思います。教科書に載っているような著名人を、物語がどこまで進んでいるか、座標軸のように登場させていくというスタイルは、今後引き継がれていくんじゃないかと思います。

――ご自身の中で、結果一番ドラマチックにできた部分はどのあたりでしょうか?

五代さんとこんなに深く親密だったという記録は全く残っていないので、時代考証の先生と一個一個パズルのように組み合わせていきました。これは一つのチャレンジだったと思います。

――作品を作っていてここがよかったと感じられたところはどんなところでしょうか?

大阪で作ったということに、とても意味がありました。歴史や伝統、積み重ねといった文化があることはとても大きいと思います。幕末から始まりましたが、あのころの大阪がいかに面白かったか、エネルギッシュだったかを表現したことが、そのまま物語のエネルギーになりました。活気がある時代を大事にしていけたら、今後も朝ドラは盛り上がっていけるんじゃないかと思います。

――前向きさと学びたいという好奇心が大きいあさのキャラクターは、視聴者へのメッセージだったのでしょうか?

それはやはりあるんです。お商売事を熱心にするヒロインというのが画期的なんです。朝から「銭がない!」とシンプルに言っているヒロインは朝ドラではいないと思います。もっと夢を追い掛けるヒロインが多い中、あさは銭金を追っているヒロインでした。そんな銭金言っている人が、最後は人を育てる教育に行きつくというのは、モデルとなった人物を見て一番面白かったところです。すごくお商売を成功させることにこだわりぬいたヒロインが、最後は人を育てているというのは、とても描きたかったところなんです。

【後編「佐野プロデューサーが『あさが来た』撮影現場を語る」】へ続く

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