佐野プロデューサーが「あさが来た」撮影現場を語る
いよいよ連続テレビ小説「あさが来た」の最終回が4月2日(土)に放送される。1日の放送では、長年連れ添った新次郎(玉木宏)が亡くなり、最終回ではその後のあさたちの姿が描かれる。
現在までの平均視聴率も23.4%を超え、最高視聴率も27.2%と、まれに見るヒット作となった。今回、撮影を終えた後の佐野元彦チーフ・プロデューサーのコメントから、その魅力に迫った。
【佐野プロデューサーに聞く「あさが来た」の魅力とは?】より続く
――撮影を終えて、ヒロインを演じた波瑠さんにどのような感想を持ちましたか?
波瑠さんは、以前は自分の芝居をしようということが中心の人だったと思います。しかし、今は相手の芝居を感じることが上手になりました。リアクションの顔が豊かになり、相手の言っていることで心が揺れているのを表現できるようになったのが、俳優としてすごい成長だと思います。どこに出してもいい俳優さんになってくれたという印象です。
――撮影現場で、座長としての波瑠さんはいかがでしたか?
朝ドラと大河ドラマはちょっと違っていて、大河ドラマは経験も豊富な方とかが主役になって、そこにいろんな人が集まり“座長”という雰囲気になるのですが、朝ドラは一人の若い女優さんをみんなで大きな花に育てようという珍しいシステムなんです。「私に着いて来い」というよりも、その人が真面目に役に取り組んでいる姿に周りが支えたくなる。それが朝ドラの座長なので、大河とは少し違う面白さがあります。そういう意味でいうと、みんなが支えたくなる存在であったことが、波瑠さんのよかった点だと思います。
――今、現場を振り返って、つらかったときはどんなときでしたか?
先輩からも言われていたのですが、大阪放送局の朝ドラは、年末くらいまではみんな元気なんです。年末になると台本も切迫してきて、できたらすぐ撮るようなつらい状況になってました。本来は2月に撮り終えるはずだったんですけど、珍しく3月までかかってしまいました。しかし年末、「紅白歌合戦」に白岡家の家族で出させてもらったことで、「年明けたらもうちょっと頑張ろう」とリセットができたんです。すごくありがたかったし、出られて本当によかったなと思いました。
――作品の撮影を思い返して、感じることはどんなことでしょうか?
チームが家族になっていくというのは、こういうことなんだなと感じました。波瑠さんを玉木さんが支え、宮崎あおいさんを柄本佑さんが支えるという風に、みんながみんなで支え合うようになっていきました。クランクアップのとき、3~4日間、みんなが順番にアップしていくスケジュールだったんですが、終わった人たちが大阪に残って、撮影が無くても現場に駆け付けるんです。わざわざ駆け付けてみんながみんなでクランクアップをお祝いしているのを見たとき、このドラマをやってよかったなと感動しました。
4/2(土)曜朝8:00-8:15ほか
NHK総合ほかで放送