松下奈緒主演作「早子先生―」の中江功監督に聞く

2016/04/14 06:00 配信

ドラマ

4月14日(木)スタートのドラマ「早子先生、結婚するって本当ですか?」で監督を務める中江功氏

4月14日(木)スタートのドラマ「早子先生、結婚するって本当ですか?」で監督を務める中江功氏

4月14日(木)にスタートするドラマ「早子先生、結婚するって本当ですか?」(フジテレビ系)の中江功監督にインタビュー。

主演の松下奈緒が、結婚を目指す体育会系の34歳独身教師を演じる本作だが、今作に懸けた思いや、松下との撮影エピソードなどについて話を聞いた。

――まずは、今回の作品に込めた思いやテーマを教えてください。

ちゃんとした、普通のドラマをやろうと思ったというのがスタートです。大きな仕掛けもなく、人が亡くなるわけでもなく、謎解きでもなく、爆破があるわけでもない、いわゆる普通の物語なんですが、登場人物の気持ちをちゃんと丁寧に描きたいと思ったのが最初のきっかけですね。

ホームドラマと恋愛が絡む物語にしようという話になり、下手をしたら淡々としてしまうかもしれないんだけれど、ある意味“朝ドラ”のような、ついつい毎回見てしまって、見ているうちにちょっとクセになるみたいな感じになるといいな、というのが最初のとっかかりでした。

――原作になっている立木早子さんの4コマエッセー漫画よりも、ホームドラマ要素が多く盛り込まれているということも伺いました。

原作では、早子のお父さんは豆腐屋さんではなかったんですけども、ドラマでは、地元で商売している豆腐屋さんの両親と実家暮らしの娘という設定にすることで、より結婚が家族に及ぼす影響みたいなものが描けるんじゃないかと考えました。

――原作が実話を基にしているだけに、「いつか結婚すると思ってた」だったり、台本に書かれていることがとてもリアルですよね。

そうですか! 僕が男なので(笑)、女性がどういうふうに思うかというのが一番大事で。身近なところですけど、周りのスタッフなどにリサーチはしましたね。例えば、独身の30代、40代の女性がなぜ今結婚をしていないのかという理由などをそれぞれの人から聞いて、そういった話が、物語にはミックスされて入っていると思います。

でも、基本は原作の中の間を読んでいく感じで、原作自体は漫画なので、詳しい心情は、ところどころにしか書いていないんですね。どちらかというと、こんな人と会いました、こんな面白い人がいましたというのが多い中で、その人とどんなドラマがあったのかということを知りたかった。そこはむしろ、オリジナルで作った部分が多いと思います。

――その作業の中では、どういったところに特に苦労されましたか?

人物を浮き立たせるというのが一番大変な作業です。お見合いや合コンでこんな面白い人がいましたというのでは、薄っぺらいドラマになってしまう。それでは面白くない。(脚本の)水橋(文美江)さんが一番そう思ったんですね。毎回いろいろな男性が出てくるだけのカタログのようなドラマを作りたいわけではない。

ただ、相手に出会ってこんな経験をしましたというよりも、相手の人にもドラマがあるというふうに作っていかないと、心に響かないし伝わらない。主人公がいろいろな経験をしていく上で、もうひと掘り、人の心を掘り下げたいと思って作り出しました。通常の、と言ったら変ですけれども、「婚活連ドラ」みたいなものとは一線を画したいという思いがあり、そういう気持ちで、本作りも撮影も進めています。

――松下奈緒さんを早子先生役に配役された理由についてはいかがでしょうか? 以前、松下さんにインタビューさせていただいた際、「監督から『そのままでいて』と言われてドキっとした」ということをおっしゃっていて。

松下さんは、上品な感じや、育ちが良さそうな印象があると思うんですけれども、このドラマに関しては、今までの松下奈緒像を捨てていただこうと思いました。

(ドラマの撮影が)始まる前に食事に行ったんですが、フランクに喋っている感じや笑い方がすごく魅力的で、そっちの方が出たらいいなと思いました。ただ、本人は最初は抵抗があったようです、やはり役者というのは演じるものなので、声や表情などを作って出しているんです。

松下さんには、なるべく普段会話しているトーンと空気感を出したいという話はしましたね。お芝居になると入るスイッチを、なるべく入れないようにするという感じといいますか。

今日もちょうどナレーションを録ったんですけど、彼女はこれまできれいなナレーションができるように“美人声”でやってきたので、「それはダメだ、なるべくそっちじゃない方にしたい」と言って。いわゆる地声の普段喋っている、例えば楽屋でケタケタ笑ったりとか、それがすごく良いんですよ。

そっちを出したいので、今はナレーションも、なるべく違う感じにしようとしています。せりふも最初のころよりは変わってきましたね。でも、まだ本人は抵抗しているみたいですよ(笑)。本人は、「いやぁ、違和感が」と言うので、「ナイス違和感」って、返してますけど(笑)。

――ロケ地やセットでこだわった部分について教えてください。

原作が地方都市の設定なので、東京にありながら、都心より遠いところというイメージです。23区外で、そこに住んでいる人たちにはそこの文化がある。駅前も栄えているから、都心に出ていかなくても生きていけるという感じで、「え? 原宿行くの?」くらいの距離感で作っていこうと。

また、早子の実家のお豆腐屋さんも、結構いろんなところを見て回りました。実は、僕の自宅の近所にあるお豆腐屋さんのイメージなんですが、一軒家で、店先から奥に上がったら茶の間があるという感じです。さらに、2階に住居がある古い日本家屋で、地元で豆腐屋さんを長くやっていて、昔は近所の学校や保育園にお豆腐を配達していたという、そういうところがモデルだったんですね。

早子の両親を豆腐屋さんにしたいと言ったのは、水橋さんです。豆腐は一つの単価がそんなに高くないでしょう。ものを一つ作ることの大事さや小さな値段のモノの価値を知っているところで(主人公の早子が)育ったという環境がいいんじゃないかということで、豆腐屋さんにしたと聞いています。

――最後に、見どころとメッセージをお願いします。

日常のことを丁寧に描いていこうということで、スタートしました。何となく見ていて気持ち良くなれるということ、“何となく分かる”ということが少しずつ積み重なって、気持ち良く見終わっていただけるようなドラマになれば。放送が木曜日なので、今週もう1日だけ頑張ってみようという力と、ささやかな温かさを与えられるドラマにしたいと思っています。

「早子先生、結婚するって本当ですか?」
4月14日(木)スタート
毎週木曜夜10:00-10:54
フジテレビ系で放送
※初回は夜10:00-11:09

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