石坂浩二が語る 50年前の「ウルトラマン」の魅力とは…
今なお人気を誇る特撮ヒーローの雄、ウルトラマンがテレビに登場してから今年で50年。CS放送のファミリー劇場では「ウルトラマンHDリマスター版」を、毎週(土)後4:55から放送中。HDリマスター版の放送にあたり全39話の予告ナレーションを完全新録した石坂浩二に話を聞いた。
石坂は「ウルトラマン」シリーズの第一作、「ウルトラ Q」(TBS)から引き続き、1966年7月放送の「ウルトラマン」(TBS)のナレーションを1話~19話まで担当した。「放送当時、いよいよカラーになるというので、すごくワクワクした気がします。この時、円谷(円谷一監督)さんたちがおっしゃっていたのは、『単なる怪獣ものにはしたくないんだ』ということでした。当時の日本人たちが、関心を持っていた時事が随所に出てくるんですよ」と、時代背景が映し出されていたことを話した。
ウルトラマンの物語は、M78星雲光の国を故郷とする宇宙警備隊のウルトラマンが、怪獣墓場に護送中の凶悪な怪獣ベムラーに逃げられてしまったことから始まる。ベムラーを追って日本にやってきたウルトラマンは、科学特捜隊のハヤタ隊員が乗る小型ビートルに接触。重傷を負ってしまったハヤタを助けるために、ウルトラマンは彼と一身同体となって地球にとどまり、地球の平和のために戦う事を決意した。
改めて作品の魅力を石坂に聞くと、こう答えが返ってきた。「『ウルトラマン』は妙にリアルには作られてはいなくて、人間のシンボル的なものを感じます。敵も、外部からのもののように見えて、実は人間それぞれが心の中に持っている、『悪』みたいなものが形骸化されたものだと思うんです。一度は命を失いかけた人と宇宙人が戦う。人間との共同体というか、人間に味方している宇宙人というものが、平和をもたらせてくれるという。そういうことに、大人の人が見ても、何かを語りかけられるような気がして思わず入り込んでしまうというのもあるでしょうね」
最初に作品が作られて以降、新シリーズが制作され、リマスター化もされる中で50年を迎えた「ウルトラマン」シリーズ。「改修の度、前に見ていた人が自分の子どもと一緒に見て、新たに自分の子どもの中でも思い出になっていく。そういう受け継がれ方を 50 年でしてきたのだと思います。(何度も改修したというのは)大人たちの中で、大事にしたいと思う気持ちが強い人が多くいる作品なんだと思います」と、目を細めた石坂浩二。50年間愛され続ける作品の魅力を今一度味わってみよう。
毎週(土)後4:55~5:55(2話連続放送)
CS放送 ファミリー劇場にて放送
石坂浩二による完全新録予告ナレーションは、WEBで限定公開中。
http://www.fami-geki.com/ultraman/