5月14日に全国公開初日を迎えた阿部サダヲ主演映画「殿、利息でござる!」の初日舞台あいさつが、東京・丸の内ピカデリーで行われ、阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、千葉雄大、松田龍平、中村義洋監督、原作者・磯田道史が登壇した。
同作は5月7日に本作の舞台である宮城7劇場で先行公開され、土日で1万3383人が鑑賞。興収は1689万1000円を記録する幸先の良いスタートとなり、現地では熱狂的な盛り上がりを見せていた。そして、いよいよ全国公開初日を迎え、豪華出演者及びスタッフが集結した。
上映後の熱気冷めやらぬ中、多くの拍手と歓声に包まれながら登場した阿部は「こんなにたくさんの方に集まってくれて本当にうれしいです! ありがとうございます!」とあいさつ。また「きょう、既に舞台あいさつを3回行っていますが、全て満席で本当に光栄です」(瑛太)、「私はこの作品が大好きです。皆さんも好きになってもらえると嬉しいです!」(竹内)と、他のキャストもそれぞれ語った。
撮影中、ある“過酷な準備”をしていたという阿部。「特に誰かからやれって言われたわけじゃないので、本当は慎みたいのですが、聞かれたので話しますね(笑)。実は、お金をためるために過酷な節約をする十三郎と同じく、私自身撮影中、数日間断食をしました。裸で水ごりをするシーンもあったので、そのためでもありますが。本当は、俳優はこういったことを話さなくていいと思うんですけど、慎まずに話しちゃいました(笑)」と、振り返る。
また役作りで苦労したことについて、瑛太は「地毛で総髪を結った方が、カツラを被るよりも楽だと思って、伸ばしたのですが、結局カツラを少し足すことになりまして…、僕だけ現場に入る時間が、みんなよりも2時間早く入って準備してましたね。誤算でした(笑)。また、中村監督とは『アヒルと鴨のコインロッカー』以来9年ぶりにご一緒させていただきましたが、若干当時より厳しいアドバイスをいろいろともらいました。『瑛太自身で演じてくれ』って仰られて、少し戸惑いながらも自分なりに頑張りました」と、明かした。
さらに、妻夫木は十三郎の弟・甚内を演じる際に気を付けた点を「物語が進むにつれ、だんだん行動の真意が分かってくる人物だと思うので、現場に入る前は、そういった点を少しずつ表現していこうと思っていましたが、現場に入ってからは特に意識せず、他の皆さんが僕を甚内にしてくれましたね。ただ、僕と阿部さんが似てないことだけがずっと気になってました」と笑顔を見せた。
それを受け、阿部は「似てないことはあえて言わなくていいよ! 妻夫木君の整った顔と似てないことくらい、みんな言わなくても感じてるよ!(笑) でも、妻夫木君の演技を見て僕自身素直に泣いてしまったので、やっぱり僕らは兄弟なんだよ!(笑)」と、必死にアピールしていた。
一方、竹内は「現場はとても楽しかったです。ただ、真夏の撮影の中、冷房の効いた控室が1つしかなくて。男性ばかりで入りづらかったので、機材置き場の近くで暑い中ひっそりとしてました(笑)」と、男性だらけの現場での苦労を明かすと、阿部は「僕らキャストもスタッフさんも男性ばっかりだったので、竹内さんが現場に入られたときはなんかみんなそわそわしてましたね(笑)」と、男性陣を代表してコメントした。
さらに、舞台あいさつ中には、4月6日に実施した本作の完成披露試写会から始まった、「小銭(5円玉/映画に出てくる寛永通宝に似ているため)を集める」という「殿、利息でござる!」ゼニ集めプロジェクトの総額が発表。
阿部らキャストの予想を超える、総数23567枚(総額11万7835円)が集まったことに一同驚きの声が漏れる中、宮城・黒川郡大和町(現在の吉岡宿)町長・浅野元氏が登場し、阿部より目録の授与が行われた。
最後に、阿部は「人の力って本当にすごいんだなってあらためて感じました。登場した瞬間に、皆さんがとても優しく温かい表情を浮かべられていたので、そうした作品に携われてとても光栄でした。ぜひ、多くの方に観てもらい、感動を伝えてもらいたいです!」と力強く締めくくり、舞台あいさつは終了した。
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