往年の日本の名曲を、ジャンルや世代を超えたアーティストたちがカバーする音楽番組「The Covers」(毎週月曜夜11:15-11:45NHK BSプレミアム)。4月からは仲里依紗が新MCを務め、リリー・フランキーと共にゲストを迎えて名曲の魅力を掘り下げている。
そんな新MCの仲にインタビューを実施。番組やカバーソングの魅力について聞いてみた。
――MC就任から2カ月がたちましたが、ご自身の中で変化はありましたか?
今までは洋楽ばかり聴いていたのですが、音楽に対する興味の幅がものすごく広がりました。昔両親が聴いていたような曲をカバーしてくださるんですけど、そのままな感じになるのかなと思いきや、やっぱりその方のカラーになるんですよね。違った印象で曲を楽しめるから、私みたいに平成生まれで歌謡曲が全然分からないという人も、今活躍されている方がアレンジして歌ってくださると、原曲を聴いてみようとか、どういう曲なんだろうって興味が湧くんです。
この前テレビの通販番組で「歌謡曲1000曲入り」みたいなCDが売っていたんですけど、知ってる曲が幾つも流れたので「あ~この曲知ってます知ってます、だって『―Covers』のMCだからね~」って得意になりました(笑)。これからもっと昔の曲を知ることができると思うと、楽しみで仕方ないですね。
――番組では、アーティストの皆さんがそれぞれとても魅力的なカバーを披露されていますが、これまでの収録の中であえて選ぶとしたら、どの方のカバーが特に印象に残っていますか?
平原綾香さんの「オリビアを聴きながら」(5月2日放送)ですね。目の前で歌ってくださったんですけど、自然と涙が出てきちゃって。(前任の)夏菜ちゃんも、以前平原さんが出演して歌ってくださったときに泣いたって聞いていたんですけど、私もわーって涙が出てきちゃって、本当にびっくりしました。
こんな気持ちになったのは初めてです。これがアーティストの皆さんが持っている力なんだ、って感激しました。
――トークではどの方が印象的ですか?
PUFFYさんは、お二人が本当に仲がいいんだなっていうのが伝わってきたんですよ。うわさには聞いていたんですけど、「今日も一緒に来ました」って仰っていて、ここまで仲がいいんだ! って驚きました。フラカン(フラワーカンパニーズ)さんもそうだったし、お会いした方は皆さん仲良しですね。
グループの方が一丸となって一つの目標に向かっていく姿は、大家族みたいな感じがしてうらやましくなりました。役者は作品ごとにチームになりますけど、作品はいつか終わっちゃうので、基本的に孤独な作業なんですよ。
――リリーさんの印象はいかがですか?
“知恵袋”が半端ないです。ぱっと話題に挙がった曲でも「作詞があの人で、作曲がこの人で…」ってWikipediaのように出てくるので(笑)、安心感がありますね。そうやってリリーさんが引っ張ってくださるから、私は隣で怠けないように頑張ろうって感じです(笑)。
――次回6月13日(月)の放送では、UAさんが登場されますね。
7カ月の赤ちゃんを連れて、カナダからはるばるお越しいただきました。今、カナダの小さな島に住まわれているそうなんですが、やっぱりそういう環境で生活されている方でないと、この歌い方は誰にもまねできないなってものを見せていただきました。自然に立ち返っているというか、動物的なんですよね、音楽が。
私もUAさんみたいに“ナチュラル人”になりたいです(笑)。ナチュラルな、無駄な物がない人って憧れるんですよね。バッグ1個で海外に行ける人というか。私国内線でも22kgの荷物とか持っていくんですよ、心配性だから。UAさんとか、ポーチ1個で来ていそうな感じなんです。
――そういった刺激を受け続けて、2年後ぐらいには仲さんが変化してるかもしれませんね。
人として、荷物が少なくなれるように(笑)。
――MC就任時の会見では、大ファンの浜崎あゆみさんについて「お会いしたら死んじゃう」と仰っていました。
いやーもう、好き過ぎるので、逆にお会いしたくないんです(笑)。凍りついて、喋れなくなると思います。夢ではありますけどね、私はファンのままでいいんです。一緒にお仕事しちゃうと、CDを買って、チケットを取って、ライブに行くっていう、いつもの生活が変わっちゃうような気がして。
――それだけ思い入れが強いということですよね。そんな浜崎さんの作品の中でも、特別な1曲を教えてください。
「Who…」という曲が好きです。今は違うんですけど、昔はいつもライブの最後に歌ってくれていた曲で、「Who…」が始まると「これでライブが終わるんだ、あゆがどこかに行っちゃう…これであゆと同じ空気が吸えるのは1年後? 2年後?」みたいな、別れを惜しむ感じの、遠距離恋愛みたいな気持ちになる曲なんです。
この間のライブでも、最後じゃないけど歌ってくれたんですよ。そのとき、目が合ったんですよ! もう号泣しちゃって。私に向かって歌ってくれているような気がして…。たぶんファンの人はみんなそう思っていると思うんですけど(笑)。
――音楽にまつわる思い出って聴くたびによみがえりますよね。
タイに行った時はこの曲聴いてたな、とか、この曲を聴いてた時はピンク色のコンポだったな…とか、その時の風景がぶわっと思い浮かぶんですよね。曲って耳だけで聴くものだから、その時の私はどうしてたっけって浮かんでくる。自分を振り返れる心のアルバムみたいなものだから、音楽って本当にすごいなって。「―Covers」に出演させていただけて、また私の心のアルバムが増えていくから、MCをさせてもらって本当に良かったなって思うところです。
音楽は人によって捉え方も違うし、幅広いし面白いですよね。私は無音が苦手なので、常に音楽をかけています。寝るときはオルゴールですし(笑)。音楽には本当に助けられていて、生活に欠かせないものですね。
――では最後に、仲さんと同世代の方へ向けて、番組の魅力を教えてください。
歌謡曲ってちょっと取っ付きづらいなとか、聴きづらいなって思う人はいると思うんですよ。でもJ-POPのアーティストさんがカバーしてくださると、きっと気に入ってもらえると思うんです。それに、好きなアーティストさんが曲に対する思い出などを話してくださると、こういう幼少期を過ごされていたんだ、とか感じてまた興味が出てきますし。
番組が両親や家族で話せるきっかけになりますね。それに好きな歌謡曲ができて、カラオケで歌ったらすごい盛り上がると思いますよ! 知らないけど格好いい! って。最終的に若い子たちがスナックに行っちゃったりしたら面白いですね(笑)。ぜひ躊躇(ちゅうちょ)せず、楽しんで見てください。
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