野村萬斎が構成・演出を務める「マクベス」が、東京・世田谷パブリックシアターにて初日を迎えた。2010年に初演を行い、世界での公演を経て、日本では4回目の上演となる。
野村は頭を丸刈りにし、スコットランド将軍のマクベス役になりきった。また、今回はマクベス夫人役に鈴木砂羽を迎え、マクベスを惑わず魔女役に小林桂太、高田恵篤、福士惠二が出演。各演者が和装の出で立ちで舞台に挑んだ。
演出では、野村が得意とする能や狂言の要素を盛り込み、和のテイストを前面に活かした手法でシェイクスピアの世界を再現。難解で独特なセリフ回しは、狂言師である野村らしいリズム感を発揮した、聞きやすく、分かりやすい日本語で表現し、運命に翻弄(ほんろう)されるマクベス役を演じ切った。
そして、鈴木はマクベス夫人として、堂々たる態度で、時に厳しく、時に優しくマクベスを導き、ラストの衝撃的な結末までシェイクスピア劇初挑戦とは思えぬほど見事なまでに演じた。舞台を盛り立てる音楽には、尺八の演奏家の藤原道山が音楽監修を務め、和楽器奏者が演奏。邦楽の魅力を最大限に発揮していた。
同公演は東京を皮切りに全国7都市で公演される。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)