6月25日(土)から全国で公開される綾野剛主演映画「日本で一番悪い奴ら」で、パキスタン人のラシードを演じるお笑いコンビ・デニスの植野行雄。
お笑い芸人として活躍する一方で、映画に初出演するなど活躍の幅を広げる植野に、本作の役作りから、見どころ、撮影現場での知られざるエピソードまで、ここでしか聞けない話を聞いた。
――今回、演じられたラシードの役どころについてお聞かせください。
友人の太郎(YOUNG DAIS)から、諸星(綾野)を紹介されたことがきっかけで、拳銃の調達をするなど諸星の“S(スパイ)”となる、中古車店を経営するパキスタン人です。家族や親戚を養っているリーダー的存在なので、お金にはうるさいというかシビアなのですが、普段は陽気な人です。
――ご出演が決まった時は、どんなお気持ちでしたか?
マネジャーから楽屋で話を聞いて、「どんな役?」と聞いたら、「パキスタン人役」とだけ言われたんです(笑)。でもその後、「凶悪」の白石(和彌)監督の長編映画ということが分かって、あんなぶっ飛んだ作品を撮った監督の映画で、パキスタン人役ってどんな感じなんだろうと思いました。
それからインターネットで“パキスタン人”と検索して、写真を見た瞬間「これはイケるな、違和感ないな」と自分でも思いました(笑)。
映画初出演にして片言の外国人という役で、何が正解かは分からなかったのですが、とにかくチャレンジしてみようと思いました。
――役作りのために何かされたことはありますか?
キャラクターは明るくて陽気なので、やりやすかったのですが、片言の喋り方が難しく、相方(デニス・松下宣夫)に演技を見てもらって確認したり、ボビー・オロゴンさんが片言で話している映像を見たりしました。
ラシードは、“S”になるのですが、それは家族を養うための手段であって、悪いことだとは思っていないんです。ただ、“キレたら何をするか分からない人”という、急変した時の怖さを出せたらいいなと思っていて、普段は明るくて騒いでいるのですが、(中村)獅童さんに「インド人は酒飲めないよな」と言われたら、「私、パキスタン!」とキレるところとか(笑)、キレるポイントが分からない感じを出したいなと思って演じました。
――撮影現場では、皆さんとどんなふうに過ごしていましたか?
(綾野)剛君とは以前お会いしたことがあり、剛君とDAIS君とは同じ年代なので、すぐに仲良くなれました。ただ、獅童さんが現場に来た時はほんまにヤクザが来たのかと思いました(笑)。
でも気さくに話し掛けてくださって、4人で和気あいあいと話して、劇中の4人の関係性そのものでした。男4人なので、好きな女性のタイプや、どうやって口説いたらいいかとか(笑)、そんな話もしていました。
撮影が終わってからも獅童さんの誕生日会に呼んでいただいて、(劇中と同様に)「おい、インド人」と言われたので、「私、パキスタン!」と返しました(笑)。
――特に印象に残っているシーンはどのシーンですか?
諸星を殺そうとするシーンが、ものすごく緊張しましたし、一番印象に残っています。
アクション担当の方が指導に来てくださって、「まずは思いっ切り左に振って、振ったら体勢が崩れるからそこで、立ち上がってまた刺す」という説明をしていただいて3回リハーサルをして、「よしこれでいける」と思ったのですが、本番になったら、緊張のあまり全然違う動きになってしまって…。そこはアドリブというかハプニングでした(笑)。
でも剛君もDAIS君も「リアリティーが出て逆に良かったよ」と言ってくれたので、安心しました。
――この映画をきっかけに、今後挑戦してみたい役はありますか?
映画に出演することは刺激になり、お笑いの現場とは違った空気感もあるので、チャンスがあればまた出たいなと思います。何だかスターになった気分で、新幹線でサングラス掛けたりしていました(笑)。
今後は“片言の外国人役といえば植野”と思ってもらえたらいいですね。あと…キスシーンくらいはしたいですね(笑)。
――最後に作品の見どころをお聞かせください。
撮影現場の近くのお店の店員さんたちには、「綾野剛とのW主演や!」と言っていて(笑)、剛君に「何でだよ!(笑)」とツッコまれましたけど、とにかくがむしゃらに演じました!
やらせ逮捕やおとり捜査、拳銃購入に、覚醒剤密輸、やり方は間違っていますが、社会を良くするために必死で不器用な男・諸星に付いていく男たちの青春ドラマです。笑えるシーンがあれば、切ないシーンもあるので、ぜひ映画館で見てください。
刑事ドラマとしては「ビバリーヒルズ・コップ」ばりの映画に仕上がっているなんじゃないかなと思います(笑)。
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