駿河太郎「海外でも評価され自信に」初主演映画に感謝
7月30日(土)から公開される“日本最初のポップアート”アーティスト・竹久夢二を描いた映画「夢二~愛のとばしり」の完成披露試写会が都内で行われ、映画初主演となる駿河太郎の他、小宮有紗、加藤雅也、宮野ケイジ監督、原作者・野村桔梗氏、主題歌を担当したmayo(岡本真夜)が登壇した。
本作で海外の映画祭「Japan Film Festival LA 2015」で最優秀主演男優賞を受賞した駿河は、「作品自体もグランプリを受賞しているので、今からの公開が非常に楽しみです。まさか初主演作で、このような賞をいただけるとは全く考えてもいなかったので、素直に僕を主演に起用してくださった監督含め、作品に関わってくださった皆さんに心より感謝しております」と心境を告白。
多数の女性との恋愛を繰り広げる夢二を演じたことについて、駿河は「さすがにここで共感するとは言えないでしょう」と笑い、「女性に限らず、夢二というのは変化を受け入れられない、夢と現実の間で苦悩する男だったんだろうなと思いながら演じていました」と話した。
また、夢二が最も愛した女性・彦乃を体当たりの演技で演じた小宮は、彦乃について「とても純粋で真っすぐな女性だなと思いました」とコメント。
愛し合う二人を引き裂く彦乃の父親を演じた加藤は、「本当に太郎ちゃんが女たらしで(笑)」と笑いを誘い、「太郎ちゃんじゃなく夢二がね。こんな男性に引っ掛かれば父親は必死になって食い止めようとしますが、いつも娘が横にいるわけです。娘の気持ちを思いながら二人を引き裂く父というのは、演じていて難しかったですね」と役作りについて明かした。
さらに、楽曲を提供したピアニストmayo(岡本真夜)は、「もともとストックの中にあった曲です。作った時は、もちろん自分の一番いとおしい人を思い浮かべながら聞いてほしいなと思いながら作りました。映画を拝見して、あらためて映画の雰囲気に合わせてアレンジしています」と、主題歌「always love you」の誕生秘話を披露。
宮野監督は「これまで巨匠の皆さんが描いてきた竹久夢二を描くに当たり、これまでとは違うものを描かないと意味がないなと思いました。画家ではあるけれど、夢二は詩人になりたかった。でも、なれなかったという劣等感やコンプレックスを抱えた芸術家だったんです。そんな夢二に翻弄(ほんろう)される女性たちが、輝いてきれいになっていく。夢二の駄目さが女性たちを美しくしていくという作品にしたいなと思いながら作りました」と、作品へのこだわりを語った。
最後に駿河が「駿河太郎という役者が主演を演じるという時がくるとは思っていませんでした。映画を愛しているスタッフが集まって作った作品です。決して派手な作品ではなく、エンタメ性というよりはメッセージ性だったりアート性の強い作品だと思いますが、日本の色気のある良き時代を切り取っている作品だと思います。海外の映画祭でも評価されて、僕の自信にもつながりました。ここから、この作品がどのように皆さまに伝わっていくのか楽しみです」とあいさつして締めくくった。
7月30日(土)シネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー
出演=駿河太郎、小宮有紗、加藤雅也/黒谷友香ほか
監督・脚本=宮野ケイジ
原作=野村桔梗「竹久夢二のすべて」(駒草出版)
主題歌=「always love you」(作曲:mayo、編曲:mayo/森俊之/伊藤ハルトシ)
配給=ストームピクチャーズ、ベストブレーン
【HP】yumeji-ai.jp