テレビ東京は、湊かなえの傑作ミステリー短編集「望郷」から三編をオムニバスドラマ化することを決定。それぞれの主演を広末涼子、伊藤淳史、濱田岳が務めることが分かった。
「望郷」は、瀬戸内海に浮かぶとある島で生まれ育った人々の切なくもいとおしい人間模様を描いた連作ミステリー短編集。中でも「海の星」は日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞するなど高い評価を得て、今回、待望の初映像化となる。
本ドラマは、テレビ東京がことし秋の新本社移転を記念した「六本木3丁目移転プロジェクト」のドラマスペシャル企画として放送。宮部みゆきのサスペンスを中谷美紀主演で送る「模倣犯」、玉木宏が検事役で主演を務めるSPドラマ「巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲」の放送も決定している、大型プロジェクトの中の一作品だ。
「みかんの花」の広末、「海の星」の伊藤、「雲の糸」の濱田がそれぞれドラマへの思いを語った。
広末は、20年前に自分と母を島に残して、東京に行ってしまった姉をずっとうらみ続けている主婦・富田美里を演じる。
「撮影中は、梅雨時期の不安定な天候に悩まされましたが、最終的には因島の燦々(さんさん)太陽と、強い日差しの洗礼も受け、いろんな色の海を見せてもらいました」と、広末は撮影を振り返った。また、「その風景と、湊かなえさんの作品らしい世界観を美里という役を演じて感じることができ、とても楽しませていただきました。特に、20年間にわたる姉の思いを知った美里が初めて姉と向き合うラストシーンは強く残っています」と、印象的なシーンを挙げた。
「海の星」で、伊藤は幼いころに父が失踪し、母子家庭で育った島出身の会社員・浜崎洋平を演じる。
伊藤は「広島・因島での撮影は、大変思い出深いものになりました。あいにくの雨でしたが、地元の方々や現場スタッフの皆さんに助けていただき、とても楽しくお芝居をする事ができました。特にラストシーンは、とても印象に残っていて、早く完成した作品を見たいと、心待ちにしています。 ドラマの内容も、驚きや感動もある、サスペンスドラマになっています。皆さん、ぜひご覧ください。よろしくお願いします」とコメント。
濱田は、母が起こした事件のためにつらい少年時代を送り、今では出身地を伏せて活動する人気アーティスト・黒崎ヒロタカを演じる。
濱田は「湊さんの世界観、そして初めて演じさせていただく役柄、緊張する要素がたくさんあった中、監督はじめスタッフの皆さまと共に、短い期間ではありましたが、丁寧に、臨ませていただきました。『みかんの花』、『海の星』と合わせて、この『雲の糸』も応援していただけると幸いです」と視聴者へアピールした。
「みかんの花」の撮影現場・因島を見学したという原作者の湊は「広末さんをはじめ、役者の皆さんは完全に島の人でした。この言葉はこんな表情から出ていたのか、と短い場面の中にいくつもの発見がありました。視聴者の方々も、ドラマを見ながら、白綱島の一員になっていくのではないかと思います。
もがき、苦しみながらも日々を懸命に生きていく人たちが、最後にそれぞれどのような光を目にするのか。今の私は原作者ではなく、オンエアを一番楽しみにしている人なのだと思います」と期待を寄せた。
なお、放送日や各ストーリーの共演者は後日発表予定。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)