連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK総合ほか)で8月17日(水)から再登場する星野武蔵。結婚歴があり、青葉(白鳥玉季)と大樹(荒井雄斗)の父親という驚きの登場を果たす星野。常子(高畑充希)と離れてから15年の月日が流れ、成長した星野を演じる坂口健太郎に、カムバックへの思いを聞いた。
――作中では15年ぶりの登場ですが、役作りについて何かこだわりはありますか?
最初は常子と会っていない十何年間の間に起こったことの方が大事かなと台本を読んで思いました。徴兵された経験や、4年前に奥さんを亡くしてという経験は星野の中ですごく衝撃度も強いでしょうから。
ですがその中であんまり星野が陰に入っていると、常子が星野と再会して、好意的に思ってくれるきっかけにもならない気がして、星野の過去はあまり意識的に深くは掘り下げないで、どちらかというと子どもに対する星野という点を重視しました。
――常子と別れのシーンの放送後に、「武蔵ロス」といって、世間の星野ファンの女性たちが嘆いていたと思いますが、ご自身では世間の反響などは感じたことはありますか?
10週目で物語からいなくなってから、僕自身撮影で地方に行ったり、東京を離れることも結構あったんですけれど、やっぱり「植物の人」と呼ばれたり、「はっぱのあんちゃん」って呼ばれたりして、反響はいただけました。
僕は出ているときには髪を分けていて、丸縁を掛けていて、学生帽をかぶっていましたので、あまり気付かれないのではと思っていましたが、すごく声を掛けてもらえてうれしかったです。
――星野のかわいらしいせりふの言い方や、おどおどした感じが大人になってしまってからはもうなくなってしまうのでしょうか?
要所要所で以前の慌てっぷりというか、そういうところは出ていますね。自分の中でも昔の星野を思い出してほしいところはあったので、常子さんと話す中で、どこかで消えていなかったかつての自分がもう一度出てきちゃったり…。
言い回しのテンションは落ち着いていますが、所々で若い頃の星野武蔵を思い出してもらえると思います。
――高畑充希さんとは3カ月ぶりに共演されて、物語としては15年の月日が流れているということで、二人の間の空気間の変化みたいなものはありましたか?
どちらかというと、物語が進むにつれて変化が徐々になくなっていっているような気がします。星野も作中で「妻に後ろめたい気持ちがあって」というせりふを発するんですけれど、そういう気持ちやわだかまりとかを抱えたまま、常子と再会してからも過ごしていたので、常子との時間が再び少しずつ増えていくにつれて、自分の中で勝手に作っていた氷が溶けていくというか、それに対して常子も少しずつもう一度若い頃の気持ちを思い出していくという、二人の関係性は戻っていくというのはありました。
――25歳になったばかりで父親役というのは、どうでしたか? 一方で学生役もやれてしまう年齢だとは思いますが…。
そうですね…。演じる中で思ったのですが、星野が若い頃に持った愛があるとしたら、多分その愛の種類というか、色というものが、年を重ねるにつれて子どもに対するものだったり、亡くなった奥さんに対するものだったり、いろいろな色の愛を知ったんだろうなというのはありましたね。
いざ子ども役の二人と接していても、本当に自分に子どもができた時の想像をしたりして、二人と一緒にお芝居をすることはすごく楽しかったです。逆に教えてもらうことの方が多かったかもしれません。演じていてとても面白い感覚でした。
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