10月8日(土)に全国ロードショーされる映画「HiGH&LOW THE RED RAIN」にヒロイン・成瀬愛華役で出演する吉本実憂にインタビューを敢行。
Smartザテレビジョンでのインタビューは1年前の「表参道高校合唱部!」(TBS系)連載以来ということで、開口一番「お久しぶりです!」と笑顔を見せる和やかな雰囲気の中、吉本に今回の役の印象や大変だったシーン、そして見どころをたっぷり語ってもらった。
――1年ぶりにお話をお伺いしますが、今の心境はいかがですか?
日に日に演技が大好きになっています。演技だけではなく、本当に“ものづくり”そのものが大好きで、たくさんの方と一つのものを作るという環境や一人一人が自分の仕事を精いっぱい行うという環境にいられることが幸せです。
――女優としての自覚が出てきたということですか?
自覚と呼ぶのかは分かりませんが、ものづくりという好きなことをやらせていただいているので、人との戦いというより、自分との戦いという意識が日に日に強まっているのかなという感じです。
映画やドラマなどの演技だけでなく、CMだったりスチール撮影だったり。そういう自分の感情を一つの作品にしたものを作れる環境に立たせていただけることは、とても幸せなことだなと思っています。
――今回「HiGH&LOW」の世界に入った感想はいかがですか?
以前からこのプロジェクト自体知っていて、作品を見せていただいた印象としてはまずアクションがすごいと思いました。日本のアクション作品ってあまり見たことがなかったんですけど、すごくスケールが大きくて、出演者の方も豪華ですし、何より人数が多いんですよね。
それにビックリしましたし、私もそういう大きいプロジェクトの映画でヒロインという大役を務めさせていただけて、とても光栄なことだと思っています。
――演じられる愛華のキャラクターを分析されてみて、いかがですか?
表面的な話で言えば気の強い女の子なのかと思っているんですけど、その陰に昔からの心の葛藤があって、積み重ねでとても繊細な女の子なのだろうなと思いました。
――割と強がりというか、虚栄を張っているような女性ですよね。
そうですね。それに私は台本を読み、愛華のバックグラウンドを作っていく過程で、愛華として早く生きたいという思いが、すごく大きくなったんです。彼女の繊細な部分に引かれたというか、魅力を感じて。元々こういう心の葛藤をしている人が好きというか、魅力を感じることもあったのですが。
今まで役をいただいて、バックグラウンドを作ってきて「こういう人っていいなあ」とか「こういう部分を自分も持てたらいいな」って、吉本実憂の視点で客観的に見られたんですけど、愛華の場合は普通に人として好きなんです。
そのおかげで役に入りやすかったですし、今回は演じたというより愛華として生きたという気持ちの方が強いですね。オン・オフはっきりする役もあればしない役もあるんですが、今回はオン・オフ全くなしでやろうと決めていたので、それがいい方に作品に影響を与えられればいいなと思います。
――「強く、生きろ。」とポスターのキャッチにありますが、強く生きられましたか?
そうですね(笑)。でも、もちろん弱さもあって、愛華として生きた身としてつらかったという気持ちが一番にあります。男手一つで育ててくれた父親が殺されて、尊龍(斎藤工)さんに命も心も助けてもらって。
でも、その尊龍さんが突然いなくなってしまって、「なぜ?」という思いとともに「どこに行ったんだろう?」という思いと、尊龍さんに会いたいという思いが同居していて。雅貴(EXILE TAKAHIRO)・広斗(登坂広臣)の雨宮兄弟と行動していても、尊龍さんに会えない時間が本当につらくて。そういう意味では愛華として生きられたかなと思いました。
――尊龍、雅貴、広斗という最強の3兄弟が身の回りにいましたが、吉本さんはこの3人の中で誰がいいなどとありますか?
(間髪入れず)尊龍さん!
――即答ですね!(笑)
はい(笑)。距離感というか、現場にいるときはずっと「自分は愛華だ」という意識でいたので、距離感的にも、役とはいえ本物の距離感でいられたのかなと思うので、そう考えると尊龍への思いは強くなりますよね。助けてもらったし、尊龍さんは唯一愛華の心の鍵を開けてくれた存在でもあるので。
工さんも工さんという感じじゃなくて、私の中では尊龍さんだったんですよ。そのくらい愛華に成り切れていたのかなと思います。だから選ぶとしたら尊龍さんですね(笑)。
――今回の撮影で一番大変だったシーンはどこですか?
序盤の墓地のシーンと終盤の雨降らしのシーンですね。墓地はちょうどクランクインの日だったのですが、まだ海外の環境にも慣れていない中での撮影だったので、暑さが尋常じゃなくて…。もともと暑い所は得意じゃないので、体力的に大変でした。
――相当暑かったんでしょうね!
はい! 暑かったですよ~! しかもMA1(ジャケット)を着ていたので(笑)。暑かったですけど、この墓地のシーンが雨宮兄弟と初めて会うシーンだったので、最初に撮影できたのはやりやすかったですし、作品に入りやすかったと思います。
――では、雨のシーンはどうですか?
今まで雨に濡れながら演技をするのはあまり経験がなかったんですよ。しかも今回は、雨のシーンな上に深夜だったりしたので、いろいろ大変でした(笑)。でも、その撮影のとき、尊龍さんと広斗さんが先に撮影されていて、私はじっと待っていたんですけど、そのときTAKAHIROさんが気持ちを和ませてくれました。
やっぱりどうしても愛華になっていると、ずっとすごく不安なんですよ。そんなときに和ませていただいて、助かりました。雨降らしは私だけじゃなくて、皆さん大変だったと思います。でも、皆さんが頑張っていたからこそ、私も頑張れたし、今では全てが楽しかった思い出です。
――ちなみに、和ませてくれたというのはどんな感じで和ませてくれたんですか?
怖い話をしてくれました(笑)。
――えっ、怖い話で和んだ?(笑) 怖い話好きなんですか?
いえ、怖い話は無理なんですけど(笑)、素の吉本実憂に戻れたというか、愛華のスイッチを切ってくれた感覚です。いや、でも本当に怖かったなあ…夜だったので尚更(笑)。
――タイトルにちなんで、吉本さんがHiGHになるときと、LOWになるときを教えてください。
好きな映画を見ているときは感情的にはHiGHになっています。LOWは、ちょうどさっき取材部屋に入ってきたとき、溝にヒールがはまってしまってLOWになりました(笑)。でも、普段はあまりLOWにならないですね。
自分自身に怒るときはLOWになりますが…。何で私はこんなことができないんだろう、とか。そういう気分になるときはたまにあります。
――特にどのシーンを見てほしいというのはありますか?
それはもう全部です! 全体を通して見てほしいです。でも、私が客観的に見られるかなと不安ではあります。クランクアップしても、まだ終わった感じがしていなくて、ずっと愛華として生きているという感覚でいるんです。なので、宣伝などで尊龍さんの写真を見るだけで「うわ~…」って感情高まってきて(笑)。
予告編とかを見ていても、どこかで「尊龍さんに会いたいなあ」という部分がよみがえってくるので、それくらい愛華として生きられた実感はありますし、何より成瀬愛華という人を吉本実憂がすごく好きでいられたのは良かったです。
――吉本さんの中でも印象に残る作品になりましたか?
そうですね。繊細な役をやってみたいというのも目標の一つではあったので、こんなに早く演じるチャンスをいただけたということがうれしいです。それに愛華という名前も好きですし、これは感覚なんですけど、昔から愛華という名前に憧れを抱いていたんです。
それで役名を聞いたときは「おおっ! 愛華か」って思いました。名前も全部ひっくるめて、私の中で1、2を争う好きなキャラクターです。
――プロジェクトとしてはまだまだ続くので、また演じる機会があるかもしれませんね。
再登場あるんですかね~? どうなんだろう(笑)。でも、私自身また演じられたらいいなと思っています!
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