10月19日(水)夜10時50分からスタートする「超入門!落語 THE MOVIE」(NHK総合)の取材会が行われ、濱田岳、前田敦子、鈴木福、林家たい平が出席した。
同番組は、「難しい」、「古臭い」と思われがちな落語の世界を、落語家の語りに合わせて役者が動く“アテブリ芝居”で初心者にも分かりやすく再現。毎回の豪華なゲストと、口の動きまで完璧に合わせる“リップシンク”が見どころだ。
濱田は番組の導入部分にあたる現代劇パートを担当するナビゲーターで、前田は第1回「お見立て」(語りは古今亭菊之丞)、鈴木は第3回「転失気(てんしき)」(語りは柳家三三)に出演。たい平は、同じく第3回「粗忽(そこつ)の釘」で語りを務める。
あいさつに立った濱田は、“アテブリ芝居”の難しさに触れ、「僕はナビゲーターで、現代語で話すだけですが、師匠方の語りに合わせる、人の呼吸に合わせるというのは、本当に大変だと思います。それを、皆さんが完璧に演じていらっしゃるので、正直、『時代劇パートじゃなくて良かったな』と思うくらいです(笑)」と明かした。
そんな“アテブリ”に挑戦した前田は、「師匠たちの語りに合わせるため、何十回も同じ落語を聞いて、どこに行っても口パクしていました。撮影では、スタジオに師匠の声を流してもらっていたのですが、普段のようにマイクもない中で、すごく不思議な空間だなと思いました。映像では口パクですが、話を完全に覚えてしまったので、撮影では小さく声を出していて、師匠とセッションをしているような気分でした」と撮影を振り返った。
また、鈴木は「練習で聞いていても、すごく笑ってしまって、なんでこんなに笑えるんだろうと思いました。実は、学校でも落語の授業があって、妹も『落語を見に行きたい』と言っていたので、今度一緒に行きたいです」と落語の魅力に引き込まれている様子。
たい平も番組のスタイルには驚いたようで、「落語は、一人でできるもの。それを、俳優さんに話を覚えてもらって、メイクして衣装を着て、再現してくれるというのは、落語家が思いもよらなかったことですし、思いついても面倒くさくて誰もやらないこと(笑)。その面倒くささに挑戦してくださったことに敬意を払いたいです。前田さんは花魁(おいらん)を演じられましたが、表情の作り方など落語家の僕が見ても新しい発見がありました」と絶賛した。
さらに濱田は、落語の魅力を「一人であれだけの長い時間、物語を語ることがすごい。多いときには10人前後を演じ分けて、それがまったくの別人格として、違うバックボーンを背負っているのが見えるんです。落語家さんによって話の雰囲気や笑いのポイントも違っていて、この人はどんな人生経験をしているんだろう…というふうに思い始めたら、落語の魅力に取りつかれていました」と語った。
そんな濱田に、たい平は「落語家は、落語に入る前に自分の経験や体験を話して、このあとの落語につなげていく。これがいわゆる枕というものですが、この番組ではナビゲーターの濱田君がやっている現代劇パートが枕の役目を果たしているんです。いかにも“あるある!”と思うような話で、見事に現代と古典落語の世界をシンクロさせていて、“この落語には、どういう枕をつけてくれるのかな”と、落語家としてもすごく興味を持って見ています」とエールを送っていた。
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