映画「Lーエルー」公開 広瀬アリスインタビュー(後編)

2016/11/08 17:38 配信

映画

11月25日(金)より公開の映画「Lーエルー」。主役のエル役を務める広瀬アリスから見たオヴェス(古川雄輝)はどんな存在? 広瀬アリスのインタビュー後編をお届け! 

役に徹するために髪のツヤにもこだわったという広瀬アリス


衣装合わせは30着! その中で一番のお気に入りの衣装とは?


――今作ではキャバレーのシーンで広瀬さんの魅力的なダンスを見ることができますが、もともとダンスは得意な方だったんですか?

「それがまったく踊れなくて(笑)。クランクインするまで2週間ぐらいずっと練習をして、ようやくっていう感じでした。ヒール履いて踊るなんて、もう無理だ無理だ無理だ!って(笑)、結構苦労しました」

――あのダンスシーンは、始まりと終わりとで随分表情の変化があって、そこに気持ちの変化がよく表れていたと思いますが、そういうところも意識されていましたか?

「そうですね。Acid Black Cherryさんの「黒猫 ~Adult Black Cat~」っていう曲に合わせて踊ってるんですけど、だんだんトップに上り詰めていく様子が描かれているんです。その時の表情とかはかなり意識しました。カメラの前で自分がどれだけ堂々といられるか。踊っているうちにどんどん自分に自信がついてきて、少しずつ余裕が出てきたところはあったと思います。踊ってる時は必死なんですけどね、私自身は(笑)。でもそれが逆にリアルでよかったのかなって思ったりします」

――キャバレーのシーンもそうなんですが、今回衣装も独創的でしたね。

「今回、衣装合わせで30着ぐらい着たんです。もう一日がかりで。海外のビンテージの服もあったり、すごく衣装にこだわってあって。エルは環境によって服の形やカラーも変わるので、そういう細かいところまでかなりこだわっているので、そういう部分も楽しめるんじゃないかなと思います。一番のお気に入りは、一番最初に出てくるエルの衣装で、結構暗い色味なんですがリボンがついていて、形もよくて好きでした。キャバレーでの衣装は逆にキラキラすぎて、“私、これ着るんだ?!”っていう(笑)。着てみて、ソワソワしてました」

――エルは場面ごとに雰囲気や表情がすごく変わる役でしたが、衣装でもそれを表現していたんですね。

「あとメイクもそうでした。これは私だけのこだわりなんですけど、エルが落ちている時は、髪にコンディショナーを使わないようにして(笑)。髪のツヤも出したくなくて、コンディショナーを使わずパサパサの髪で撮影に挑みました。牢屋にポツンといるシーンでは足元まで映るって言われたので、『ハサミ貸してください』って言って、その場でハサミで爪を切ったり。汚すんだったら爪も汚くしようと思ったんです」

――広瀬さんはオヴェスをどんなふうに見ていますか?

「小さい時に一緒にいたオヴェスが、エルが帰る場所を何十年かけて作ってくれて。それがオヴェスの愛の形なんですよね。少女漫画のようなキラキラとハツラツとした恋愛もいいんですけど、ちょっと変化球というか、変わった真実の愛というものがあって、純愛の作品なんだなと思いました」

――最後にこの映画の見どころを教えてください。

「エルの成長していく姿、そしてオヴェスの純愛、いろんな愛の形があると思います。今回は見ていて本当に、ほっこりするわけではなく、心にグサッとゆっくり突き刺さるような愛の形なので、それをぜひ見ていただきたいですし、世界観にリアリティがあまりないので、逆にその方が見やすいんじゃないかなと思っています。この異世界な感じをぜひ見ている方に楽しんでいただけたら嬉しいなと思います」

撮影=植村忠透/取材・文=大窪由香

■「Lーエルー」ストーリー■ 

ただ、私は愛されたかった...欲しかったのは、愛。 “色のない街”で生まれ、両親に愛情を注がれて幸せに育った少女エル(広瀬アリス)。ところが両親の突然の事故死により、エルの人生は一変していくこととなる。悲しみに打ちひしがれる幼きエルを得意の絵で元気づけたのが、幼なじみの絵描きの少年オヴェス(古川雄輝)だった。エルとオヴェスは互いを励ましあいながら生きてきたが、成人したエルは“ある選択”を迫られ、突然消え去るように故郷から去っていき、二人は離れ離れになる。誰かを信じては裏切られ また誰かを信じては傷つけられ、襲い掛かる運命に翻弄されながら波乱の人生を懸命に生きたエル。そして遠い故郷からエルを想い続けたオヴェス。二人の生涯を綴った壮大な物語が“真実の愛”とは何かを描き出す。

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