──劇中にはさまざまな“言葉”が出てきますが、中でも特に印象に残っているものは?
ドラマの最初と最後に出てくる、「愛せよ。人生において、よきものはそれだけである」です。私の人生のテーマなのかなと思いました。
私の名前“愛未”の由来が「未来永劫、愛し、愛される人に育ってほしい」という願いだと聞いたことがあって、今回あらためてこの言葉を聞いて、名前からくる使命感なのか、特に心に響きましたね。
──“女優”“比嘉愛未”“スピーチライター”のいずれかだと、どの立場が好きですか?
まず、私はスピーチライターには向いていないと思います!(笑) 今回演じてみて、私は自分で表現する方が好きだなと思いました。
それから、こうやって比嘉愛未としてお話しするのも、言葉にしながら自分の考え方を再確認できるので楽しいのですが…。やっぱり一番好きなのは、与えられた言葉で自分なりの表現をすることですね!
──こと葉がスピーチライターという職業に出合って人生が変わったように、比嘉さんの人生のターニングポイントは?
ずっと沖縄でモデルのお仕事をしていたのですが、高校を卒業する間際に、映画に携わる機会がありました。その時に初めてお芝居をして、3行くらいしかないせりふが全く言えなかったんです。
その悔しさがものすごく大きくて、「お芝居の勉強をしたい!」と思い、親にお願いして「上京させてください」って言いました。もしあの体験がなかったら、今ここにいないですね。
──「言葉の持つ力」が作品のテーマですが、これまでで一番「言葉の力」を感じたのは?
10年前、上京して初めて受けたオーディションが、連続テレビ小説「どんど晴れ」('07年、NHK総合ほか)だったんです。ヒロインを演じることになって頑張っていたのですが、撮影期間の終盤に悩んでしまって。
「1年間同じ役を演じているのに、一向に満足できないんです」と共演の草笛光子さんに相談したら、草笛さんに「私は50年女優をやってきたけど、一度も満足したことないわよ」と言われました。それを聞いて救われたような気持ちになったんです。今でもくじけそうな時には思い出しますね。
「本日は、お日柄もよく」もそういう心に響くすてきな言葉がたくさん出てくるドラマなので、見てくださった方に「言葉の力」が伝わるとうれしいです。
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