吉岡里帆を導いた吉岡秀隆の言葉とは?
NHK BSプレミアムで1月18日(水)に放送される「朗読屋〜山口発地域ドラマ〜」(夜10:00-11:00)の試写会・取材会が行われ、主演の吉岡秀隆と吉岡里帆が登壇した。
本作は、山口を舞台に、妻に去られて眠れない日々を過ごすマモル(吉岡秀隆)が、“24時間図書館”で出会ったひとみ(吉岡里帆)の紹介で、老婦人・玲子(市原悦子)に中原中也の詩を朗読する物語。
脚本は、映画「かもめ食堂」や、ことし2月に公開される生田斗真主演映画「彼らが本気で編むときは、」で監督・脚本を務めた荻上直子。市川実日子や緒川たまき、山下真司、前野朋哉らが物語に花を添える。
“W吉岡”で共演を果たした吉岡秀隆と吉岡里帆。吉岡秀隆は「同じ名字なのでいつか会えることがあるかなと思っていましたが、意外と早く会えました(笑)。共演できていろんな話を撮影の待ち時間でさせていただいて刺激を受けたり、お芝居に対する情熱を感じたりしました。
一方、吉岡里帆は「W吉岡の後輩の吉岡です。私からしたら本当に大・大・大先輩で、まさか本当にお会いできるとは思っていなかったですし、お芝居できるとは思ってなかったです。思っていることを撮影中に吐露すると、本当に親身になって答えを返していただきました。
私が、『この仕事を本当に続けられるのだろうかということを毎回毎回思います。自信がありません』という話をしたら、『僕もそうだよ』と。『自信を持ってやっていないところがいいんじゃないだろうか』と答えてくださって。それがうれしかったです。私の背丈に合わせて話をしてくださったのがうれしかったです」と答えると、吉岡秀隆はしきりに恐縮し照れていた。
今回作品の根底に流れるのが山口出身の詩人・中原中也の詩だ。吉岡秀隆は「僕は学生の頃から『月夜の浜辺』がとても好きで、何かあるたびに読み返しています。荻上さんの話の中にもありますが失意の底にいたときに書いた詩というのは、生命力にあふれていて、読むと胸が痛くなる、突き刺さる詩ですが、救われる詩です」と思い入れのある詩について明かした。
吉岡里帆は「私は『帰郷』という詩がとても好きです。2年前に上京してきて、ずっと役者になりたいと思いながらもせりふをもらえることがなくオーディションに落ち続けていて、東京で暮らし始めて年に数回しか帰れなくなったときも、私がどれほど変わろうとも故郷は変わらないんだなと。両親や祖父母に会うと自分はちっぽけで子供で…。私は中原中也の詩を読んでいると、まだそこまでの痛みを感じたことがなく、理解しきれない部分がたくさんありますが、その中で『帰郷』は自分の心とリンクする部分が多かったです」と告白した。
今回登壇予定であった市川悦子は風邪のため欠席。制作統括の中野信子氏が「きょうはドラマの完成披露試写会に参加できず本当に申し訳ございません。山口での撮影は本当に楽しかったので、良い作品になっていることを願っています」と市原からのメッセージを代読した。
1月18日(水)夜10:00-11:00
NHK BSプレミアムで放送